第11章 神父がやって来た
1.テレジア幼稚園

 前年に引き続いて、今年も三輪崎小学校の学芸会ではヤスケラ踊りが披露された。出演陣とPTAとの打ち上げ反省会も終わり、再び魚住京蔵本来の静かな生活に戻った頃。里山は紅葉がまだらに色づき、柿も熟れてきた。
 娘の頼子は光洋中学一年、京太は小学五年、京二は小学三年。どの子も学校と塾と遊びに忙しい毎日で、もはや父との戯れはまれになっている。
 父京蔵はと言えば、ケアンズの教会を本拠とするバイキ神父に洗礼を受け、木曜島の教会で熱心に礼拝した日本の若者も、アラフラ海から和歌山県南の故郷三輪崎に帰って二十年近くになる。五十一歳、太平洋戦争が終わって六年後の昭和二十六年(1951)の、 そんな秋深まった頃。

 市街から少し離れた新宮高校の近くにカトリック系教会運営の幼稚園が開設されることは、一年前から三大新聞地方版でも、地元の紀南、熊野、両新聞でも報じられてきた。
 新宮テレジア幼稚園と名付けられ、数日前に園舎ができあがった。竣工を祝って、その日新宮市長や有力者が出席してお披露目された。来年四月に開園する。

 そのテレジア教会から三輪崎の魚住商店に使いがあり、
「オーストラリアから来ている二人の神父が魚住京蔵様にぜひお会いしたいといっています。ご都合のつく日にお連れしたいのですが」
 二週間前に同国ケアンズ教会からも京蔵宛に、
「神父二人が新宮テレジア教会に属する幼稚園々舎の落成式に立ち会うため貴方(きほう)新宮を訪れる。滞在中に一度お宅へ伺わせたい。会ってあげてほしい」
 旨の手紙が届いており、京蔵夫婦は喜んで招じ入れることになっていた。
 …………

 この時期熊野灘の海は荒れることが多く、気温も素潜りには冷たいが、京蔵はかまわず水中鉄砲とぼっつり籠をたずさえて、()を漕いで沖に出る。さすがにカッパ、いまでいうウェット・スーツを用意してある。
 畑は今年もサツマイモが大収穫だった。熊野路という新宮市街への山道(現在、熊野古道高野坂)の、三輪崎口を入ったすぐ右横から危なっかしい急坂のあぜ道を上りつめると、段々畑に着く。眼下に熊野灘が広がっている。
 今年もさつまいもは標準の少なくとも三倍の大きさはある農林一号が幾つもとれ、品評会の特等賞を譲らなかった。ここでの主役は次男の京二だ。前年に続いて、彼の(うね)で採れたのが賞を得た。
 三輪崎の海が一望できるその畑は先週の種まきで麦畑になっている。
 一方、田んぼは一期目の刈り入れがとっくに終わって、二期目が稲穂を垂れている。

2.ケアンズからの神父たち

 その日午後、ロジャーズ、オコーナー両神父が、テレジア新宮教会の大串神父と付き添い兼通訳の三隅女史に案内されて魚住商店の玄関を入った。大串神父は幼稚園長を兼ねることになっている。厚手ワンピースの女史以外はガウンをまとっている。
 外人神父は二人とも四十代か、どちらも背は高い。大串神父は白髪まじりで、べっ甲メガネの赤ら顔である。

 京蔵は、くまの意見に従って、賓客を迎える身なりで待っていた。真っ白いカッターシャツは(すそ)を折り目のついたズボンに入れて、背広姿だ。結構決まっている。足は足袋に下駄履き、これはこれで彼なりに何とか様になっている。
 くまもいつものもんぺ姿ではなく、地味な和服で、左手薬指には、夫がアラフラ海で採った真珠の結婚指輪がある。
 店はお手伝いの早苗にまかせている。子供たちは学校だ。

「ごめんください」「いらっしゃいませ」
「NICE TO MEET YOU」「WELCOME TO OUR HOME」
「…………」
 しばらく日本語と英語のあいさつだ。
 くまは二階の六畳の間二つをぶち抜いた部屋へ案内する。二人の神父には(とう)で作った座椅子を用意してある。その心遣いに大串神父が手を広げて礼を述べる。
「よう来てくれたのうし。お疲れでしょ」
 お辞儀しながらくまはそう言ってお茶を出す。今年摘んだ新茶ですと、神父たちにも目を向けながら、三隅女史に通訳をこう。英語は話せないが、気後れしたところはない。うつむき加減で飾り気のない微笑みに、遠来の客人も緊張がほぐれたようだ。
 大串神父は、京蔵がテレジア教会についてよく知っていることを確認したうえで、幼稚園について説明する。
 教会が全国展開しているカトリック系ミッション・スクールで、この地区にも幼稚園を開くことになった。スタッフは教会関係だけでなく、一般の方にも参加いただくことになっている。幼児の受け入れは数が限られているので、すでに定数に達してご迷惑をかけている。…………

 ロジャーズ神父が静かにオーストラリア英語で話しはじめる。区切りのよいところで三隅女史が通訳しようとすると、京蔵がニコッとしてさえぎる。
「すっかり忘れていると思ってましたけど、これくらいならどうやら分かります。分からんときだけ声をかけますから助けてください」
 次いで頭に手をやって、
「しゃべるほうは自信ありませんので、大概はお願いすると思いますが、努力します」
 直接の話しあいに越したことはない。三隅女史は納得の笑みを返しながら、傍らのくまを見る。
「私はかまわんさかに、お好きなように話しあってもらってください。あとでお父さんが教えてくれますから」
 そんなことで、くまにはときどき女史が耳打ちしながら、オーストラリアの神父と京蔵の三人でこんな話が進んでいく。

3.ケアンズでの出来事

 二人の神父がオーストラリア・ケアンズと木曜島の教会で得てきた京蔵の情報は、盛りだくさんだった。現地を後にして二十年近くになるが、日本からやって来た青年ダイバーにまつわる話の種はあったようだ。
 京蔵に忘れていたことを次々と思い出させ、それが橋渡しとなって、初対面のぎこちなさどころか、友人のように親しさが増していく。
 大串神父もとりあえずの役目は果たしたということで、座布団を後ろに下げて座り直し、新茶を味わいながら耳を傾けている。
 バイキ神父のこと、木曜島の教会、島の人々、ケアンズのいま、……二人の受け売り四方山話に京蔵の顔が崩れている。
「いつもの顔と違う」、くまは夫を興味深く見やる。夫の脳裏はその頃にさかのぼっているのだろう。船団仲間のことも浮かんでいるに違いない。
 で、話があの時のことになる。神父二人は言葉を選びながらゆっくり話し、京蔵はとつとつの英語で応える。

「CHRISTMAS EVEノ日、アナタハCAIRNS(ケアンズ)ニ来テイマシタ。ソコデ喧嘩ナサッタノヲ覚エテマスカ?」
「さあてのう……? クリスマスはよくケアンズへ行って、バイキ神父の教会で祝いましたが」
 とぼけているのかどうか、京蔵は乗り気でなさそうだ。
「暑イ昼過ギダッタソウデスヨ。向コウハ夏デスカラ」
「……、そうやったかのう。喧嘩というほどやなかったと思うけど。さてとよ、そう、あのときもクリスマスに、ケアンズの教会へ行ってたのう」
 とぼけ続けられそうにない。
「ソウデス。少シ思イ出シテクレタヨウデスネ。アナタ方五人ホドト、相手ハCAIRNSノ若者タチデシタ。ドンナイサカイダッタデショウカ?」
「そやのう、わしが教会でバイキ神父のお話を聞いている間、仲間たちはパブで飲んでました。ケアンズの若いのと口喧嘩というか、わからんことを怒鳴りあいながら手も出てしまうということになったらしい。仲間の一人が教会に駆け込んできて、わしに助けを求めたんじゃなかったかのう……」
「ソレデ?」
「仕方なしにわしが行って向こうと話し、なんとか折り合いをつけたように覚えてます。そんなとこですが」
「ソウデシタカ? ワタクシガ聞イタ話ト少シ違イマスネ。モット危険ダッタノデハナカッタデスカ?」
「そうやったやろか……」
 京蔵には楽しい思い出ではなさそうだ。目をしばたかせている。
「アナタガ駆ケツケタトキ、広場ニ相手ハ何人イマシタカ?」
「四、五人やったかのう」、と記憶を辿るそぶり。
「イイエ、アナタガタノ二倍クライハイタト聞イテイマスヨ。広場デハ殴リアイガハジマッテマシタネ。アナタノ仲間タチデ血ヲ流シテイル人モイマシタ。ソコデアナタハ大声デ叫ンダノデハナカッタデスカ? 向コウノ一番強ソウナ男ニ向カッテコンナ風ニ」
 とロジャーズ神父はジェスチャーをまじえる。
「ONE TO ONE(一対一)<註\シ入レタハズデス。『モシモ私ガ負ケレバ、私ヲ好キナヨウニシテクダサイ。シカシ、モシ私ガ勝テバ、全テヲ忘レテ仲直リシテクダサイ』ト」
 三隅女史もここはくまへの通訳を忘れて、もっぱら聞き役だ。
「そうやったやろか。あんまり覚えてないんで。ずっと昔の話やし……」
 京蔵の格好の悪そうなそぶりを無視して、二人の神父は交互に続ける。英語だけの話しあいだから、くまにわかるはずはないが、何事か≠フ雰囲気は伝わっているようだ。
「CAIRNSノ若者タチハ『FINE(イイダロウ)』ト言ッテ、アナタノ提案ヲ受ケマシタ。アナタノ仲間ハ全員弱ッテイマシタシ、英語ガアマリワカリマセンカラ黙ッテマシタ。ソウデスヨネ?」
「…………」
「彼ラハOKハシマシタガ、勝負ハ戦ウ前カラ明ラカデス。アナタノイサギヨサニビックリシ、哀レンダヨウデスヨ。アナタハ小サイシ、強ソウデモナカッタカラ。AUSTRALIAハ弱イ者イジメノ国デハアリマセン。AUSTRALIAN(オーストラリア人)ハ卑怯者デハアリマセン」
「ようわかるよ。そうやった」
 青年に帰った京蔵は、ここは深くうなずく。
「ソコデ、一番強ソウナ大男ノ若者トアナタガ決闘スルコトニナリマシタ。モチロン武器ハ手ト足ダケデス」
「…………」
 よくもまあ、あんなことがいまだにこうもと、当人あきれ顔だ。
「アノトキノ当事者ハ私タチニコウ言イマシタ。……二人ハシバラクニラミアイマシタ。両方トモ最初ハBOXINGノ格好デシタガ、アナタハスグニ、KARATE(空手)ノSTYLEデスカ、変ナカマエカタニナリマシタネ」
 当の本人はやや言い訳めいて言う。
「相手は、図体が大きかったやろ。ボクシングではわしのパンチが効くとは思えんし、相手のがわしに当たったら終わりやさかに、咄嗟(とっさ)に……」
「ソウ、素早ク判断シタノデスネ。ソレヲ見テ彼ガカマエナオソウトシタソノトキデシタネ。アナタガSTRAIGHT LINE(一直線)デ駆ケ込ンデ、彼ノ胸板ニコブシヲヒットシタノハ。彼ハ腕ヲ振リ上ゲタママウナリ声デクズレ、ソノママ気ヲ失イマシタ。彼、ソウ話シテマシタヨ」
「そんなひどいことしたんやろか。まあ少なくともあのときは当身(あてみ)の真似事をやりました。手加減したはずやけど……」
 往年の若者はいやな場面を思い出している。
「悪いことをしたと、今も後悔してます。卑怯でしたし、負けたほうがよかったかもしれん。負けても彼らはそれ以上のことはせなんだはずです。……相手が息を吹き返してからのことは忘れんよ。わしらにはどんなにしてもまねのできんことやんで」
「決闘ハ絶対ニイケナイデス。デモ、終ワッタアトノ彼ノ態度デ、ワタクシタチハ救ワレタト思ッテイマス。彼ハアナタノ、カツ<gイウノデスカ、ソレデワレニカエリ、アナタノ助ケデ起キ上ガルト、敵対デハナク、スグ握手ヲ求メマシタネ。決マリ悪ソウダッタヨウデスガ」
 京蔵にあのときの握手の感触がよみがえったようだ。何度もうなずきを返す。
「ええ握手やった。本当にうれしかった」
「マダカナリ痛ソウデ、顔ヲシカメテイタヨウデスガ。アナタガ彼ノズボンヤ服ニ付イタツチボコリヲ熱心ニ払ッテアゲタノモ、ミンナウレシク思ッテイマス。勝ッタ態度デハナク、イタワリノ気持チデシタカラ」
「当たり前のことやけど、そう思ってくれてますか。おおきに」
 今青年はほっとした様子。
「FATHER BAIKEハ遠クデスベテヲ見テイマシタ。ビックリシタヨウデス。非常ニヨクナイコトナノデ、止メニ入ッテホシイト叫ボウトシタヨウデス。デモ、アナタノ格闘ハ、早クテキレイダッタッテ、変ナコトヲ言ッテイタト聞イテイマス。ソレニ負ケタCAIRNSノ若者モ立派ダッタト、大変ホメテイタヨウデス」
「あの男には本当にすまなんだ」
「ソノアト彼ノ仲間モアナタノ仲間モ、全員二人ノトコロニ寄リ集マッテ、握手シマシタ。ダカラ最後ハイイ眺メダッタト、ミンナホメテイマス」
「思いもせなんださかに、ほんまにうれしかった。やっぱりクリスチャンやのう。あの仲直りがなかったら、バイキ先生は許してくれなんだやろ」
 出来事のあと、現地の若者たちとさらに親しくなったことを、京蔵はいまはっきりと思い出している。
「ソウ、コノ出来事ヲFATHER BAIKEハオ亡クナリニナルマデ話シテイタヨウデス、ウレシソウニ。京蔵ハイイ子ダッタ、ト。イマモトキドキワタクシタチハコノ話ヲシマス。アナタハ日本ノGENTLEMANダッタ、トイッテ」

4.バイキ神父

 くまがお代わりの新茶を入れていると、ロジャーズ神父がまじめな顔で言う。
「ワタクシ、GREEN TEA(日本茶)ガ好キニナリマシタ。BLACK TEA(紅茶)トハ別ノ深イ味ワイガアリマス」
 オコーナー神父も素直にうなずいている。三隅女史の通訳で、くまは恥ずかしそうな笑みを返す。
 神父は二人とも、のどの渇きもあるのだろうが、注がれたのを一気に飲みほして、もう一杯お代わりをたのむ。
 二人のこのような姿を大串神父は初めて見るようだ。
「私もお願いします」と、うれしそうに湯飲みを差し出す。

「木曜島デモソウデスガ、CAIRNSノ教会ヘ来ラレルゴトニ、貝ヤ魚ヲタクサンオ持チクダサッタヨウデスネ」
「そうやったのう。わしらは(なま)で食べるんですが、神父は油で(いた)めておられた。ときどき食事に呼んで、食べさせてくれました。うまかったです」
「ソウ、KYOZOハウレシソウダッタト聞イテイマス。炒メモノハメシアガッテナカッタノデスネ」
「そうです。仲間は教会へあまり行きたがらなかったさかに、わしだけこんなええ思いをしてと、申し訳ない気持ちもいっぱいやったけど」
「アナタガ神様ニ捧ゲタ真珠ハ、イマモCAIRNS教会ニ飾ッテアリマスヨ。『FROM KYOZO A JAPANESE GENTLEMAN』ト書イテ」
「ありがたい話やのう。バイキ神父はわしに生き方を教えてくれた。お礼にこれしかないと考えたんです。神父は、わしを自分の息子のように大事にしてくれました」

「ソレデモトキドキ教会ヘオ仲間ヲオ連レシタト聞イテイマスヨ」
 オコーナー神父が信者たちの話を伝えると、
「礼拝のあとの炒め物の話をしたら、それに惹かれた者が出てきまして。その者が次の仲間を連れて行くというように」
 笑いながらそう言って、
「自分で行くようになった仲間も結構いました」、と付け加える。
 洗礼を受けた仲間のことが浮かんだようだ。
「ソウデス。ミンナ素直ナ方タチダッタト聞イテイマス」
 今度はロジャーズ神父が口添えする。
 今青年は閉じた目を天井に向けて、
「バイキ神父のおかげです。仲間もいろいろあるから迷惑もかけたけど、大概は許してくれました。信者の方たちにも感謝しています。みんな嫌がらずにつきあってくれた」
「アリガトウ。ソウ言ッテイタダケテウレシイデスヨ」
「白い人やないと入らせてくれん店もあちこちにあった頃やさかに。仲間うちでは、木曜島のバンガロー生活でも、『どうせさげすまれるだけやから、町には出たくない』というのもいたくらいですよって」
 神父は二人ともうなずいている。
「信者の方たちの温かい目や、席を譲って仲間を座らせてくれた親切を忘れておりません。わしらはほっとして、本当にうれしかった。教会は天国やった。教会から船やバンガローに帰ったあとは、当分喧嘩もせなんだし、みんなよう働きました」
 いまや京蔵の頭の奥は、木曜島での仲間たちとの悲喜こもごもにタイムスリップしている。
「モット手厚クスベキダッタトイウ信者モイタヨウデスガ、オ話ヲ聞イテ安心シマシタ。帰ッタラ、ミナサンニ伝エマショウ」
「どうぞそうしてください。頼みます。バイキ神父と信者のみなさんの親切で今のわしがあると思っております。神様に感謝しています」
 話は尽きそうにない。
 オコーナー神父がたずさえたメモを見ながらニヤッとして、ケアンズ教会で京蔵がたどたどしくやったスピーチの話に移ろうとするが、時間が経ちすぎている。大串神父が意を決して、
「それでは……」
 と、悪い役を引き受ける。
 ケアンズの両神父は吹っ切れない余韻を残したまま、姿勢を正して神に祈り、京蔵と固い握手を交わして帰った。

 外人になじみのない片田舎のこととて、このうわさはすぐ三輪崎の町中に広がった。
「京蔵サ、英語で話してたとう。ほんまやで」
「外人の人、神父さんたちやろ? 背高のっぽやった」
「外人さん、どこから来たんやろか?」
「オーストラリアらしいで。京蔵サはずっとアラフラで働いていたさかに、それと関係あるんやろ」
「…………」

 京蔵の宗教観は変わっている。アラフラ海から帰って新宮のプロテスタント教会に属するようになったが、家には仏壇があり、毎日くまが水を取り替えて線香をあげ、自身も手をあわせる。お寺は曹洞宗で、熱心な檀家だ。
 別の部屋には神棚が飾られてある。天照大神の掛け軸も、十字架とともに。三輪崎住民の宗教といえる金光教会にも通う。生長の家や天理教の人たちとも仲がいい。各宗教からはいろいろの反論や説得があったが、京蔵は死ぬまで意に介さず多宗教をとおした。
 聖書は手放さないが、書棚には数々の宗教書が並んでいる。中には吉川英治の「親鸞」のハードカバーも。
第11章朗読: 33分19秒
第10章 ヤスケラ踊り 第12章 家族二景
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