この5月で77歳になった。喜寿の年を迎えて、海外旅行は無論のこと、旅行自体がおっくうの今日この頃。行きそびれている旅先が海外・国内ともいくつかある。その最大が京都だ。
中学の修学旅行先だったようでもあり、10数年前にその故郷和歌山県新宮市三輪崎のクラスメートたちと邂逅して清水の舞台に立ったような、そうでもないような、……。
いずれにしても平安時代以来の歴史を秘めた古都、現代生活様式の優美な側面に息づく伝統文化の核心。その文化あふれる古の都を、いまになってやっと意識を秘めて経験することになる。有名な神社・仏閣だけではない。それらが体現し、それらを包み込んでいる皇室と武家社会を背景とした日本独自文化の在り様。
今まで強いて訪れる気にならなかったのはなぜ、……そんな詮索は止そう。ぼくの今に残された宝だ。
そんな思いで3ヶ月前の3月末、まずは様子見と、今に残したうしろめたさと大いなる期待を胸にないまぜにして、京都へ3日間の旅をした。 やはり! 見どころは当然として、古都と今様が一時に味わえそうな京都という独特の雰囲気を感じた。
行きつけのスポーツクラブで、近しい友人に旅のあらましを話したところ、数日して「次はこの『気ままツアー』を利用されては」と、彼が薦めたJTBの格安ツアーがこれ。
京都1週間ゆったりフリープラン
往復新幹線のぞみ、京都ロイヤルホテル泊
国内で1週間以上の旅は、6年前(2011年5月)の「日本最果て岬巡り」(11日間)を除いて記憶にない。しかも今の消極的心境では楽しい思い出となりうるかどうか。
いつに似合わぬ妻の快諾とは裏腹に、不安半分で申し込んだのだった。
但し3月の3日間滞在だけでも印象深い地への折角の旅だし間を置かず二度目。併せての撮りだめ写真の整理は人知れず苦労の種となろうが、貴重な証拠物件ではある。
膨大な枚数から選りすぐった写真に説明と印象を添え、ここに紀行文として残すことにした。
…………
東京・京都間の新幹線往復は「のぞみ」。普段のツアーにして、最速はありがたい話だ。それはよしとして、JTBのこの気ままツアー、京都ロイヤルホテルに6泊7日滞在して朝食1回付のみ。食事も観光も全て自由気ままで自前。
旅行社まかせのツアー観光に浸ってきたわが身のこと。無為・無駄の1週間を恐れ、事前に地元の観光バスツアーを幾つか予約し、その他の日は観光誌の案内に従って巡ることにした。
梅雨時のいま。じめじめは当然だが、結果的に本降りにあったのは6日目(6月30日)のみ、それも短時間。ラッキーだった。7日間のあらましを、とりあえず次表に示す。
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