1 出発まで 6 トルコの観光
2 ギザの三大ピラミッド 7 EURO 2008
3 オールド・カイロ 8 カイロ近郊のピラミッドと遺跡
4 アレキサンドリア 9 旅を終えて
5 イスタンブール
Part9 旅を終えて
 6月16日(月)、カイロから12時間、窮屈な機内で揺られて、午後1時に成田空港に着いた。外国人がこの空港に着くと「味噌汁の匂いがする」とのことだが、そのようには感じない。「清潔だねえ」、と妻に言うと、彼女もうなずいた。
 外は白雲なびく快晴で、25度。梅雨はどこへ行ったのだろう。
 今夜は久しぶりに、焼き魚と刺身で、日本酒の熱燗といこう。
 13日間、概ね下表のように2国を巡った。ピラミッド、遺跡、奇観、モスク、宮殿……、大分類すればそんなところだ。 
月日 場所 行程
06/04
(水)
成田発
カイロ着
15:30 MS-965
23:45
 (ギザ泊)
Pyramids Park Intercontinental Cairo
05(木) ギザ→カイロ→ギザ ・3大ピラミッド(クフ王、カフラー王、メンカウラー王、スフィンクス)
・カイロ(オールドカイロ、聖セルギウス教会)
 (ギザ泊)

Pyramids Park Intercontinental Cairo
06(金) ギザ→カイロ→ギザ ・オールド・カイロ(エジプト考古学博物館、ハン・ハリーリ市場、アブディーン宮殿、モハメッド・アリ・モスク)
 (ギザ泊)

Pyramids Park Intercontinental Cairo
07(土) ギザ→カイロ→アレキサンドリア→カイロ→ギザ ・アレキサンドリア(アレキサンドリア国立博物館、ポンペイの柱、カタコンベ)
 (ギザ泊)

Pyramids Park Intercontinental Cairo
08(日) カイロ→イスタンブール ・イスタンブール歴史地域(トプカプ宮殿)
 (イスタンブール泊)

Euro Plaza
09(月) イスタンブール→トロイ→アイワルク ・トロイの古代遺跡
 (アイワルク泊)
Halic Park Hotel

10(火) アイワルク→エフェス→パムッカレ ・エフェス(聖母マリアの家、円形劇場、アルテミス神殿)
 (パムッカレ泊)
Thermal Hotel PAM

11(水) パムッカレ→コンヤ ・ヒエラポリス・パムッカレ(石灰棚の奇観、ヒエラポリスの遺跡)
・コンヤ(メブラーナ博物館、インジェ・ミナーレ神学校)
 (コンヤ泊)
Rixos Hotel

12(木) コンヤ→カッパドキア ・ギョレメ国立公園・カッパドキア(奇岩群、キャラバンサライ、カイマクル地下都市)
・民族舞踊とベリーダンスショー
 (カッパドキア泊)
Resort Dedeman Cappadocia

13(金) カッパドキア→アンカラ→イスタンブール ・ギョレメ野外博物館・ゼルベ野外博物館(ギョレメの谷、ウチヒサール、ゼルベ)
・トゥズ湖
  (寝台特急泊)
Ankara Express

14(土) イスタンブール→カイロ→ギザ ・イスタンブール歴史地域(ブルーモスク、アヤソフィア)
  (ギザ泊)
Pyramids Park Intercontinental Cairo

15(日) カイロ発 ・メンフィスの遺跡、サッカラのピラミッド、ダハシュールのピラミッド、メイドゥームのピラミッド
18:45 MS-964 (機中泊)
16(月) 成田着 13:00
日本のニュース
 エジプトとトルコを13日間巡っている間に、テレビで日本に関するニュースを3つ見た。といっても、全て寝る前のリラックスしたときと、起きて集合までのつかの間で、大した時間ではない。他の時間帯でまとまったニュースがあったかもしれない。
 日本語のチャンネルは、カッパドキアのホテルだけだった。たまたま見る都度面白くもないドラマばかりなので、そこでもCNNに切り替えてしまった。

 6月9日、トロイへ向かう日の朝、イスタンブールのホテルにて。
 CNNに突然見慣れた日本の風景が出た。前日東京・秋葉原でテロがあったらしい。スポットニュースの中でこの事件が報じられている。
 25歳の男がトラックで歩行者天国に突っ込み、17人を刺して7人を殺害…………
 テレビ初めての日本のニュースだった。
 
 12日目(6月15日)、ギザのホテルの朝。
 朝食を終えて部屋でCNNにチャンネルを合わせると、日本のニュースが飛び込んだ。前日の岩手・宮城内陸地震である。
 マグニチュード7.2といい、相当な被災にのぼりそうだと伝え、現地のビデオが少し出た。およそ1分ほどで終えたが……、日本に着いたら実態を知ることになろう。

 何日目だったか、部屋でくつろぐと、CNNは「自殺の国日本」と題する特集を伝えた。
 15分か20分の番組で、日本からのレポートだ。
「アメリカの人口の半分の国で、自殺件数がアメリカの2倍。インターネットによる集団自殺、硫化水素、周辺住民にもとばっちり……。なにが原因しているのか?」
 英語がもっと聞き取れればと思った。かなり真に迫ったものだった。

 世界で報じられる日本のニュースはこんなものか。短絡過ぎるが、他の海外旅行のときもそう感じた。
 一方、日本で報じられる世界のニュースはどうなのだろう。少なくとも今回のCNNを覗いても、ヘッドラインが相当違うような気がした。
 イスラム圏に関してもっと知りたい。CNNはともかく、日本のニュース番組は、テロと石油関連以外は、かの国々に対して目隠しをした状態といえば言い過ぎかな。
 友好の国エジプト・トルコを巡って、彼らと彼らの国を知りたい気持ちがいや増した。
 仏壇に南無阿弥陀仏は唱えているが、未だ苦しいときの神頼みを超えられない身として、イスラム教とその文化を云々するのもなんだが、とくにイスラム圏を誤解しているところがあるような気がした。

朗読(05'58") on

追記

 成田からカイロまで、エジプト航空・ジャンボジェットの14時間30分は、長〜い、忍従のタイム・カプセルだった。
 座席毎のモニターはなく、スクリーン映写は、ぼくたちのブロックのがどういうわけか働かない。いつまでたっても写らないのだ。ゴビ砂漠を通過した頃復旧しても時すでに遅しである。
 イヤホーンでオーディオ・チャンネルを回し回ししたが、20近くもありながら、流れてくるのはコーランとアラビア音楽ばかり。最初は興味本位で耳を傾けたものの、そのうち疲れた。
 落語・漫才とまではいわないが、せめてクラシック音楽くらいは……、文化の違いをからめ手で納得させられた。
 やむなく、というか、バッグから「iPod」を取り出す。アルコール・サービスのない機内夕食を終えてしばらく、独りだけのオーディオ寄席がはじまる。成田を飛び立って5時間ほど過ぎていた。
 …………
 寄席のあい間をぬって、また現地での空き時間を利用して、いつの間にか長い長いメモをしたためていた。全てが落語に関すること。ぼくの落語への思い入れがかなりの部分を占める。
 帰ってからそれを補足・修正し、それなりのエッセイとして仕上げた。
 雑記帳第45話「落語の話」として、独立させる。本紀行文に続き、軽い読み物としてご一読いただければ幸いである。
<Part8 「エジプト・トルコ2008」 おわり
1 出発まで 6 トルコの観光
2 ギザの三大ピラミッド 7 EURO 2008
3 オールド・カイロ 8 カイロ近郊のピラミッドと遺跡
4 アレキサンドリア 9 旅を終えて
5 イスタンブール
 「某日@某所」に「エジプト・トルコ2008」として、写真集を載せています。併せてご覧ください。
再朗読(2023.06.10)
「エジプト・トルコ 2008」
part1 part2 part3 part4 part5
6:06 13:10 14:58 9:09 13:55
part6 part7 part8 part9
20:07 20:11 14:03 7:43
total
1:59:22
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