| 竿当たりハテナこいつは蛸だわえ | 
           蛸は、吸引力絶大の??? | 
        
          | 桜には山吹の散る名所なり | 
           花の山より花の吉原 | 
        
          | 桜見に夫は二丁あとから出 | 
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          | 酒なくて見れば桜も河童の屁 | 
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          | 酒ならば肴のこころ片乳房 | 
           一杯やりながら肴に手を出すように、乳を飲みながら、片方の乳房をまさぐる子 | 
        
          | さじの柄で妾をのける御大病 | 
          体力消耗の原因となった美女を遠ざけるのも医者のさじ加減 | 
        
          | 里帰り話さぬことは母聞かず | 
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          | 五月雨に狸も腹の音が悪し | 
           長雨で湿気を帯び、狸の腹鼓も響きが悪い | 
        
          | 五月雨に本望遂げる蛙の子 | 
           平安時代の書家小野道風が見ていると、五月雨のなか、柳の枝に飛びつこうと何回も繰り返した蛙が、ついに本望を遂げた | 
        
          | 五月雨や是れも上戸の飲み日和 | 
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          | 侍が来ては買ってく高楊枝 | 
           武士は食わねど高楊枝 | 
        
          | 去り状を書くと入り婿おん出され | 
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          | 去り状を子がしゃぶったで反故になり | 
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          | 産あげく夫使うが癖になり | 
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          | 叱らずにとなりの嫁をほめておき | 
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          | しかられるたびに息子の年が知れ | 
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          | 叱られた下女膳立ての賑やかさ | 
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          | 叱られた娘その夜は番がつき | 
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          | 叱られて枕へ戻る病み上がり | 
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          | しじみ売り黄色な面へ高く売り | 
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          | 支度金見合いの上で増しを付け | 
          「噂より美人だ」と、割増金 | 
        
          | 支度金来て掃き溜めを鶴は出る | 
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          | しっぽりと和尚の悔やみ慣れたもの | 
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          | していたを見た朝姑大怒り | 
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          | 死に切って嬉しそうなる顔二つ | 
           覚悟の心中 | 
        
          | 死に水を嫁にとられる残念さ | 
           | 
        
          | 忍ぶ夜の蚊はたたかれてそっと死に | 
           | 
        
          | 忍ぶれど色に出にけり盗み酒 | 
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          | 芝居見た晩は亭主が厭になり | 
          舞台の二枚目と比較してはいけない | 
        
          | 借銭のよけいあるのに儒者困り | 
           武家も信奉した儒学だが、師匠は貧しかった。そこで、「積善の家必ず余慶あり」 (易経)・・多くの善行を積めば、自然に幸福が訪れるが、儒学者も積善ならぬ借銭が、余慶(余計)にあるのに困るというパロディー | 
        
          | 三味線の下手はころぶが上手なり | 
           | 
        
          | 小便は向こうへしなと柳原 | 
           古着屋の露店が多かった柳原土手では、「小便」の客は、向こうへ行ってくれといわれた。 | 
        
          | 証文で貸さぬ金をも文で貸し | 
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          | 証文をしまって外科は針を出し | 
           「万一のことあるも苦情なし」という患者の証文をとってから治療にかかる | 
        
          | 知れて居るものを数へる泉岳寺 | 
           | 
        
          | しんかんとして褌のしらみを見 | 
           | 
        
          | 信玄は七書にひいで四書にもれ | 
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          | 心中はほめてやるのが手向けなり | 
           痛ましくもすがすがしい? | 
        
          | 新宿の睦言にくい馬の鈴 | 
           甲州街道は、日本橋から高井戸まで4里あるのに駅がないので、元禄11年(1698)中間地点に新しい宿駅を設け、新宿と称した。享保3年(1718)、旗本と町人の争いから宿場取りやめになったが、明和9年(1772)に再び許可され、飯盛女も黙認された。 | 
        
          | 新宿の子供は早く背(せい)が伸び | 
           | 
        
          | 信心がつくと娘のむづかしさ | 
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          | 新造の水で冷やかす干し大根 | 
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          | 新造を冷水が来てあげる也 | 
           老人客が、「年寄りの冷や水」という陰口も無視して新造をあげるのは、若い女性を相手にすることで若返ろうとする魂胆でもあった。 | 
        
          | 身代を潰すは骨の折れぬもの | 
           | 
        
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          | 据え膳は向こうの腹が案じられ | 
           据え膳態勢の女性を前にしてみると、その目的が気がかりになる | 
        
          | 据え膳を嫌い息子は買い食いし | 
           | 
        
          | すっぱりと這わせておいて内義起き | 
           亭主が、他の女性のもとへ忍び込むのを知っていながら、たどり着いた現場を押さえるという女房の冷たい計算 | 
        
          | すっぱりと吸わせてそしていつ来なんす | 
           朝の別れに濃厚な接吻による予約の催促も見られた | 
        
          | 捨てる気で抱いて出て又抱き戻り | 
           | 
        
          | ずぶ六と見せて心はえひもせず | 
           泥酔したさま、または、泥酔者の擬人名を「ずぶ六」というが、酒席で、酔っていないのに、酔っているようにみせて列席者と調子を合わせるのは上手な飲み方 | 
        
          | すぶ六の踊りに困る涼み台 | 
           暑さしのぎに腰を下ろしている涼み台なのに、酔っぱらいの大騒ぎがあっては、暑さが募るばかり | 
        
          | ずぶ六は寝るがずぶ五は手におえず | 
           泥酔の一歩手前は、騒ぎ、絡みと、始末が悪い | 
        
          | するたびに小便に出る姑ばば | 
           | 
        
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          | 関取のこわごわかける涼み台 | 
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          | 関取も蚤には負けて夜を明かし | 
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          | 雪隠へ先を越されて月をほめ | 
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          | せめて薮から棒ならばと明智言い | 
           山崎の合戦から敗走した光秀は、小栗栖(京都府宇治市)の住民に竹槍で刺殺された。「薮から棒」ならぬ「槍」だった。 | 
        
          | 洗濯の時は足駄を尻へ履き | 
           足駄に腰掛ける形で洗濯 | 
        
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          | 相談が出来て田楽せつくなり | 
           吉原行きの相談が決まれば、ぐずぐずと田楽を食べている者を急がせることになった。 | 
        
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          | その味も相変わらずに姫始め | 
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          | そのくせに花はくれない人は武士 | 
           「花は桜木、人は武士」という誇りに生きる武士だが、清貧故に、「花(祝儀)」もくれないから、遊里でも大きな顔はできない。 
           「柳は緑、花は紅」ではなくて、花はくれないのは武士だから情けない。 | 
        
          | その手代その下女昼はもの言はず | 
           人目を忍ぶ仲 |