| 間男が抱くと泣きやむ気の毒さ |
赤ん坊までが、不倫相手と顔なじみとは! |
| 間男と知らずやたらに亭主誉め |
女房の不倫の相手と知らずに |
| 間男の来べき宵なり酒肴 |
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| 間男の外に留守中別儀なし |
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| 間男の方も抜き身で逃げるなり |
相手の亭主が抜き身の刀で追うのに、抜き身ままのモチモノをさげて逃げるようでは命がけ |
| 間男を知って旅立ち煮えきれず |
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| 間男をするよと女房強(こわ)意見 |
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| 間男をせぬを女房は恩にかけ |
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| まくら絵を高らかに読み叱られる |
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| 将門はちんがふとくと減らず口 |
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| 正成も鼻をふさいでざいをふり |
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| まず目と目それから手と手口と口 |
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| 待ちわびる耳へ蛙の声ばかり |
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| ままっ子は風にもらった凧をあげ |
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| 継母とにらんで女衒安くつけ |
「継母で、娘を手放したがってるな」と見た女衒(遊女に売る周旋業者)は、とたんに安く買いたたく。 |
| まんまつぶ数えるように嫁は食い |
静かに、しとやかに ・・・ 嫁の食事は品がいい |
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| 耳に歯もなくて何かを聞きかじり |
ひとのうわべだけの話を聞く「聞きかじり」には、確かに歯を使うことはない。 |
| 耳は馬面は蛙に母困り |
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| 耳へ聞く薬の味もみな苦し |
「良薬は口に苦し」だが、耳にもまた・・・。 |
| 三囲(みめぐり)の雨は小町を十四ひき |
平安時代の小野小町は、神泉苑で、「千早ふる神も見まさば立ち騒ぎ、あまのたがわの樋口あけ給え」と詠んで雨を降らせたが、元禄の俳人宝井其角も、向島の三囲稲荷で、「夕立や田をみめぐりの神ならば」と詠んで雨を降らせたという。
其角は14字少ない |
| 身を投げた上を屋形で三下がり |
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| みんな留守猫の交尾をよっく見る |
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| 麦畑さわさわさわと二人逃げ |
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| 武蔵坊とかく支度に手間がとれ |
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| 息子の耳は馬つらは蛙(かはず)なり |
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| むりな意見はたましひを入れかへろ |
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| 名月の生酔い昼の気で歩き |
名月は、陰暦8月15夜の月をいい、9月13夜の月をいうこともある |
| 飯時は継子と並ぶ居候 |
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| 飯櫃へ顔をつっこむ強い暑気 |
腐っていないかと匂いをかぐのも夏の光景 |
| 目も耳も歯もよけれども残念さ |
老年になると、眼、歯、性と衰えるが、眼も歯も健全なのに、今一つが使いものにならぬとはつらいこと |
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| もっと寝てござれに嫁は消えたがり |
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| もてた奴ばかり見返る柳なり |
坂の左手下りぐちには、見返り柳があり、右手下りたところには高札場があった。高札の文には、1.医師の外、何者によらず乗り物一切無用たるべし、付、鑓、長刀、門内へ堅く停止たるべきものなり、という1箇条があった。 |
| 物差しで昼寝の蝿を追ってやり |
昼寝する子のそばで針仕事をする母親の無意識のうちの愛情 |
| 武士(もののふ)も米をば高く売りたがり |
清貧の中で、誇り高く生きる武士ではあるが、その経済生活を支える米は高く売りたがるものだから、矛盾した人生ではある。 |
| 武士(もののふ)の喧嘩に後家が二人出来 |
果たし合いで相討ち・・・武家社会故の悲劇 |
| もりあてた医者はほどなく痛み入り |
薬の調合が、偶然にも効果を発揮した場合は、高額の謝礼をもらう際の「痛みいります」という挨拶も本音の響きがある。 |