あ行   か行   さ行   た行   な行   落語
表紙
は行   ま行   や行   ら行   わ行
 

【西海屋騒動】 談洲楼燕枝

 雨風の育てすぐしし夏草は、野守が手にも余りぬるかな 
  (九年坊)

 一人は泊めぬ旅路の田舎道、つれなきことを嘆く夕暮れ
  (野上の小松)

 いつしかに濡れたる旅の枕紙、子にしたわるる夢を結びて
  (幸手の松守)

 春雨の養い親の親切に、孤児ながら育つ山吹


 わが横に歩みながらにわが子には、真直に歩めと無理な親蟹
 (詠み人知らず、心学の道歌)

 思うこと思う人にも包みしに、いかで思わぬ人にもれけん
 (秩父の小松)

 灯火を消して人には知らさじと、逢うは互いに暗き忍び路
 (掛川の喜楽)

【西行】

「女を豆と申すは、どうした訳でござりまするな」
「しれたこと、豆に似たものゆへ、豆といふのじゃ」
「豆は段々にござりますが、マァ白豆は何にござりますぞ」
「白豆は素人で、ここらの娘や嬶(かかあ)といふようなものじゃ」
「ソンナラ黒豆は」
「おやま(女郎)や芸子や妾の類かい」
「隠元豆は」
「ソリャ禅寺の尼じゃ」
「そら豆は」
「知れたこと、天人じゃ」
「そんなら行かず後家は白豆ですか、黒豆ですか」
「そら、えんどう(縁遠)豆じゃ」

【ざこ八】 桂三木助

世の中は三日見ぬ間の桜かな

【佐々木政談】 三遊亭圓生(六代目) 圓生百席

 もう5年遅いと達磨(だるま)首ばかり (面壁九年)

 人は死して名を残し、虎は死んで皮を残す

 祖師は日蓮に奪われ、大師は弘法に奪われ、名奉行は大岡越前守に奪われる

【三人旅】 柳家小さん

 伊勢へ七度熊野へ三度

【三方一両損】 三笑亭可楽(八代目)

 江戸っ子の生まれぞこない金を貯め

【鹿政談】 桂 米朝

   江戸の名物

 武士鰹大名小路生鰯、茶屋紫に火消し錦絵
 (江戸は侍の町、紫は江戸の色)

   京都の名物

 水壬生菜女羽二重みすみ針、寺に織り屋に人形焼き物

 (京は女性、水、野菜)
 みすみ・・・三条の縫い針の針、みっしゃと発音する。

   大阪の名物

 橋に船お城芝居に米相場、惣嫁揚げ屋に石屋植木屋

 (米相場・・・江戸時代、日本の米の値段は堂島で決めていた。)
 (惣嫁・・・夜の女)

   奈良の名物

 大仏に鹿の巻筆あられ酒、春日灯籠町の早起き

 大仏は見るものにして尊ばず

【鹿政談】 三遊亭圓生(六代目)

 大仏に鹿の巻筆奈良晒し、春日灯籠町の早起き

 豆腐屋の亭主その手で豆を挽き

【四宿の屁】(品川、新宿、板橋、千住) 三遊亭圓生(六代目)

   四季のおなら

(春) 川越しの肩温かき春の風

(夏) ぶくぶくと水に泡立つ水馬(すいば)かな

(秋) ごめんごめんと芋食いすぎし京の月

(冬) 炬燵(こたつ)から猫があきれて首を出し

【士族の商法】

 時節時節とあきらめしゃんせ馬に乗る殿汁粉売る
 
【七度狐】

 古(いにしえ)の奈良の都の八重桜きょう九重にによいぬるかな

 おどけさに柳も眠る日和かな

 遠山に帯を締めたる春がすみ、(回ってみれば結び目はねえ)

 菜の花や腰より上の人通り、(透かしてみれば足が見えるかな)

【品川心中】 古今亭志ん生(五代目)

 女氏無くして玉の腰へ乗る、男氏無くして玉の汗をかく

 巻紙もやせる苦界(くがい)の紋日前

【品川心中】 三遊亭圓生(六代目) 圓生百席 SRCL3845

 すい(粋?)すぎし梅の名代の豊後節 語るな聞くな心中の種

 品川に居るに陰膳三日据え

 死んだ金生かして使うしな(品)の客

 品川の後朝(きぬぎぬ)今朝(袈裟)は帰しゃせぬ

 品川はころもころもの別れなり

 山を出て海に寝に行く面白さ

 地堕落や岸打つ波に坊主寝る

 お衣でずいぶんよしと若い者

 懐かしくゆかしくそして金と書き

 暮れの文サンのキリほど哀れなり

【指南書】

 急がずばぬれざらましを旅人の後より晴るる野路の村雨

【死神】 三遊亭圓生(六代目) 圓生百席 SRCL3846

 偽りのある世なりけり神無月、貧乏神は身をも離れず

 ・・・宝物ものなんていいましてネ。真っ黒けでなんだか得体の知れないようなものを並べ、拝観料を取りまして、これをまた見せると言うようなわけで、中にはずいぶん如何わしいのがあってネ、坊さんが高慢な顔をしてこれへ説明をしている。

 「これに安置し奉るは右大将頼朝公のシャリコウベ。ま近こう寄ってギョハイ遂げられましょう」
 「お坊さん、チョット伺いますが」
 「はい、何ですか?」
 「頼朝という方は、大変頭が大きかったてえことを聞いてるがねエ
   拝領の頭巾梶原縫い地締め
  なんという川柳があるくらいで、恐ろしく頭のでかい人だってエが、このシャリコウベは  小さいね」
 「もちろんこれはご幼少のシャリコウベ」

 ずいぶん如何わしいのがあったもので、・・・

【死神】 三遊亭金馬(二代目)

 袖すり合うも他生の縁、つまずく石も縁の端

【死神】 古今亭今輔(五代目)

 下がっちゃ恐いよ柳のお化け

【芝浜】 桂三木助(三代目)

 佃育ちの白魚さえも、花に浮かれて墨田川

 曙や白魚しろきこと一寸 (松尾芭蕉)

 初鰹とぶや江戸橋日本橋


【芝浜】 三笑亭可楽(八代目)

 こぎれいな住まいもならぬ女房が、なければむさい暮らしなりけり

 油断せぬ心の花が暮れに咲き

 除夜の鐘言い残したが言い初め、ただめでたさにひかされて愚痴も口舌も二年越し


【芝浜】 古今亭志ん生(五代目)

 油断せぬ心の花は暮れに咲き

【締込み】 三遊亭円窓

 今までに盗みし金は多けれど、身に付く金は今の錆び槍
            (鼠小僧次郎吉辞世?)

【しゃれ小町】


 こぎれいな住まいもならぬ女房が、無ければむさい暮らしなりけり

【宗論】 春風亭柳枝(八代目)

 春浮気、夏は陽気で秋ふさぎ、冬は陰気で暮れはまごつき

 宗論はどちら負けても釈迦の恥

 どの道を行くもひとつの花野かな

【寿限無】

 かくまでに親は思うぞ千歳飴

 寿限無寿限無、五劫のすりきり、海砂利水魚の水行末、雲来末風来末、食う寝る所に住む所、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助

【尻餅】 柳家つばめ(四代目)

 大晦日、箱提灯は恐くなし

 味噌こしの底にたまりし大晦日、越すに越されず越されずに越す

【素人うなぎ】


 上からは明治だなどと言うけれど治明(おさまるめい)と下からは読む
 
【城木屋】 桂 歌丸

 一瓜実に二丸顔、三平顔に四長顔、五まで下がって馬面顔
      ・・・・・江戸美人の条件

 振られれば振られるほどに燃え上がる火事場の纏

 口説かれて辺りを見るは承知なり

 抜けば玉散る氷の刃、抜けば錆散る赤鰯

【ずっこけ】

 この酒を止めちゃ厭だよ酔わしておくれ、まさか素面じゃ言われない

 外は雨、酔いも回ったしもうこれからは、やなだの度胸を待つばかり
 
【崇徳院】

 瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ

【住吉駕篭】 桂 米朝

 賃銭は望みに任せ四枚肩、足も八本そろうくも篭

 よき客のくべき宵なり、住吉のくもの振舞かねてしるくも

 酒なくてなんで己が桜かな

 貧乏はしても下谷の長者町、上野の鐘(金)のうなるのを聞く

【清正公酒屋】

 日蓮宗は門徒をさして、門徒物知らず
 門徒の方では、法華が仏ならば牛のくそがみそになる

 上戸は、酒は百薬の長、憂いを払う玉箒
     昔から下戸の建てたる蔵はない
 下戸は、酒は気違い水だ、魔水だ

【節分】

 十人寄れば気は十色

【そば清】 古今亭志ん生(五代目)

百人でそば食う音や大晦日

 
あ行   か行   さ行   た行   な行   落語
表紙
は行   ま行   や行   ら行   わ行
閉じる Close