あ行   か行   さ行   た行   な行   落語
表紙
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菜刀(ながたん)息子】 桂小南 菜刀=包丁

 所変われば品変わる、難波(なにわ)の蘆(あし)は伊勢の浜荻(はまおぎ)
 
【中村仲蔵】 林家彦六

 夢でもいいから持ちたいものは、金のなる木といい女房

【長屋の花見】 柳家小さん

 銭湯で上野の桜(はな)の噂かな

 振られれば振られるほどに燃え上がる火事場の纏

 口説かれて辺りを見るは承知なり

【鍋草履】 桂 歌丸

 知らぬが仏、見ぬこと清し

【なめる】 三遊亭圓生(六代目)

 日(し)千両散る山吹は江戸の花

 日に三箱鼻の上下へその下
 (上・・・歌舞伎、下・・・魚河岸、へそ・・・吉原) 

【二階ぞめき】 古今亭志ん生

 吉原は、まだ明治、大正の頃には昔の風が吹いて、何となく遊びに行きたいところでありました。
 もっともその頃は、あそこを知らないと人に野暮だとか何とか云われるから、誰しもいっぺんは行っておくところでした。

 それがためにアタクシもそういうところへ足を入れて研究をいたしました。
・・・少うし研究をしすぎちゃって、家にいられなくなっちゃったりして、・・・。
 よろしいところでございました。

 「ヒヤカシ」と言う言葉は、何かに値を付けて止しちゃったりすると、「あいつはヒヤカシだ」何とか言われるんですな。

 昔、吉原のそばに紙すき場があって、紙屋の職人が紙を水に浸して待っているのが退屈だから、紙の冷やける間一回り回ろうってんで、「冷やかし」という名前がついてきたんですな。

 その頃は仕事をする人でも半日しか仕事はしなかったんですな。一日仕事をしているってえと、「アイツは一日働かなきゃ食えねえのかな。だらしのねえ野郎だ」って言われるのが悔しいから、昼なら昼でパッと仕事を切り上げて、湯にでも行って帰ってきて、将棋でも指すとか、そんなことしているうちに日が暮れると、「ひと回りまわろう」何んてんで、5,6人でぞろぞろ出かけるということなんですな。

 浅草から吉原へかけて田圃がありまして、その田圃を越して行くんでございます。

 惚れて通えば千里も一里、長い田圃もひとまたぎなんて、学校じゃあまり教えないことですが、・・・。

 そしてこれはヒヤカシですからね。一回り回ってかえってくるんですな。ヒヤカシですから長く続くんですな。一文もいらないんだから。お金を使った客よりもヒヤカシの方が長く続く。

 片一方は金使ってるんだからいつかつまづいちゃって、来なくなる。ヒヤカシは毎晩のように来るんですな。

 岡惚れも3年すれば色のうち、格子馴染みも4年越し

 ヒヤカシは、来ちゃタバコをのんで「また来るヨ」なんて。
「いやな奴だね、本当に。タバコをのんじゃ上がらないで行っちゃう。
チキショー!」

 だけど毎晩毎晩来ると馴染みになっちゃったりして、・・・。
ちょっと顔が見えなくなると、「あの人どうしたんだろう?体でも悪いんじゃないだろうね?」
・・・、くだらない心配なんかしたりして。おかしなもんですな。
(中略)

 ヒヤカシが毎晩のように行ったり来たりしているもんだから、田圃のカエルも覚えちゃって、
 「人間はよくヒヤカシに行くね。カエルだってたまには行こうじゃねえか。ねえ殿サマ。お前なんか背中に筋があって様子がいいよ。おいでよ。アカも行け。アオもな。みんな行こうじゃねえかよう。・・・、エボ?汚ねえな。アイツは。
何でもいいからみんな行こう」
 「立って行くんだよ、並んでな。人間のようにこうして行くんだ。向こうへ行ってはぐれると踏みつぶされちゃうからな」
(後略)

【錦の袈裟】 三遊亭金馬(三代目)

 富士の山ほど苦労はするが元は一夜の出来心

 色にはなまじ連れは邪魔

 通い慣れたる土手八丁

 客は扇の垣根より

 やり手とは実は仮の名もらいてぇ

 北向きは何処が目当てか赤とんぼ

 雪の朝振られた奴の下駄の跡

 女郎買い振られた奴が起こし番

 ふるさとはみな草深きところなり

 月を見る頃には芒(すすき)土手に生え

 死にたいのにの字を抜いて欲しい後家

 元日やきのうの鬼が礼にくる

 間男と亭主抜き身と抜き身なり

【錦の袈裟】 古今亭志ん生(五代目)

 大一座、ふられたヤツが起こし番

【錦の袈裟】 春風亭柳朝(五代目)

 北向きは何処が目当てか赤とんぼ

【二番煎じ】 三笑亭可楽(八代目)

 武士鰹、大名小路広小路、茶屋紫に火消し錦絵、火事に喧嘩に中っ腹

【睨み返し】 柳家小さん

 大晦日ますますこわい顔になり

 大晦日今はへそくりあてにする

 大晦日猫はとうとう蹴飛ばされ

 押し入れで息をこらして大晦日

 大晦日どう考えても大晦日

 大晦日もうこれまでと首くくり

 大晦日箱提灯は恐くなし
 (武士・・・箱提灯、掛け取り・・・弓張り提灯)

 元日や今年もあるぞ大晦日

【猫定】 三遊亭圓生

 旅の留守家にもごまのはいがつき

【猫の恩返し】 古今亭志ん生(五代目)

 酔い覚めの水千両と値が決まり 

【時そば】 桂三木助(三代目)

 十人寄れば気は十色 杉は杉(直)、松は歪みておもしろし、人の心は奇なり木々なり

【ねずみ】 桂三木助(三代目)

 甚五郎左が過ぎしか水を飲み

 旅人は雪呉竹の村雀、止まりては立ち(発ち)止まりては立ち(発ち)

【鼠穴】 柳家小三治(十代目)

 嫁の屁は五臓六腑を駆けめぐり

 落ちぶれて袖に涙のかかるとき、人の心の奥ぞ知らるる

【寝床】

 まだ青い素人義太夫転がって、赤い顔して黄な声を出す (蜀山人)

【寝床】 古今亭志ん生(五代目)

 かとう節親類だけに二段聞き、三段聞いて目を回し

 
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