Part1 現地到着まで Part5 あとがき
Part2 観光初日
Part3 観光二日目
Part4 観光三日目

Part 1 現地到着まで
 「シンガポール2009(5日間)」、この旅は偶然の産物というか、瓢箪から駒だった。
 7年前は単独行で、好印象を得たこともあり、いずれ二人旅もいい≠フ候補であったことは確かだが。他に行きたいところ、米国西海岸、オーストラリア、ベネルックス三国、ロシア周辺国、北欧、……多々。それに、海外旅行を楽しめる健康が、いつまでも続くわけではない。にも拘らず、……。
 先に申し込んで、支払いもすませていた東北の旅がキャンセルになり、他をいろいろ調べたが、その期間に限って満員または帯に短し……=B
 最近は海外旅行も格安が目白押しで、ヘタすると国内旅行より安いのもある。
 ということで、韓国と東南アジアをあたってみた。その過程で、フリープラン≠フ「シンガポール5日間」を見つけた。
 料金も東北旅行に毛の生えたようなものだから、妻も異を唱えない。サーチャージの2万5千円は余分だが、このようにしてシンガポール行きが実現した。
 旅行に先立って、テニス友だちのHさん(元JALフライト・アテンダント)が親切にアドバイスしてくれた。現役パイロットの夫君と相談された手書きの資料を携えて。
 到着翌日からの市内ぶらぶら散歩の大いなる助けになったことは当然として、まず実利──。
 仰せに従い両替は日本でせず、シンガポール・チャンギ空港に下りたって、バゲージ・クレーム横の両替所にて。5万円を差し出し、794.50シンガポール・ドル(SGD794.50)を受け取った。1SGD=63円ということになる。
 午前0時過ぎを示す電光掲示板を見上げて、目をこすりながらご好意に感謝した。
 7年前の当地観光をふまえ、前と同じ実質3日間の滞在を頭に入れ、観光必須≠ニ断念≠このように考えた。
 必須……セントーサ島、ナイト・サファリ、国立ラン園。
 断念……ジョホール・バル、バタム島。
 遠出を避けて、市内の一押し名所を楽しみ、多民族文化に触れ、アジア各国の料理に舌鼓する。
 そんな魂胆を秘めたのだが、第一歩から狂ってしまうのが旅の常とやら。予定と狂いのどちらがよかったかの判定はしないことにして、次章以降に足取りを振り返ることにする。
……………………
 成田空港離陸は2月23日の夕刻だが、トラピックス・カウンターでのチェックインは1時50分になっている。その時刻にあわせて早めに家で昼食をすませ、近くのオリエンタル・ホテル発12時半のエアポート・バスに乗る。
 東京は真冬で、旅先は熱帯だ。空港までの冬装束は簡単にスーツケースにしまい込めるものにした。
 ハプニング一つ。
 出発1週間前に妻がぎっくり腰になった。なんとかなるだろうと高を括っていたら、4日前には立ち上がれないばかりか、しゃべることもできない。横になっても顔をしかめた。
 急かせて近くの接骨院に行かせた。その日は帰っても回復の兆しはなかったが、次の2日間は応急処置の効果がてきめんに現れた。出発当日朝も念入りに治療を受けた。
 「なんとかなりそう」といった心許ない状態だが、コルセットで腰を固め、痛々しい姿を上着で隠した。
 何より機中の7時間に耐えられるか心配したが、運良く空席が程よくある。フライト・アテンダント(スチュワーデスのこと)にその旨伝えて願いを叶えてもらい、妻は最後部で横になることができた。
 チャンギ空港到着と同時に時計の針は午前零時を指し、暦は翌日に日めくりした。
 その24日深夜1時半、市街ホテルの部屋でスコッチのストレートをのどに流し、iPodの落語を子守歌代わりに寝入った。
 モーニングコールは6時半。妻は自身で不思議がるほど健常者一歩前までこぎ着けているようだ。ホッとした。……シンガポール滞在中、一度も不調≠聞かずにすんだ。
 幸い朝食は二人とも抵抗なくのどを通過した。8時ホテル出発。
 以下、旅の顛末を表にして、先に載せておく
月日 行程
2/23(月) 成田空港発
 17:25 NH901
シンガポール・チャンギ空港着
  00:05
 (Grand Central泊)
24(火)
午前 市内観光
(シンガポール植物園、シティホール周辺、マーライオン公園)
午後、夜 セントーサ島
(スカイタワー、バタフライ・パーク、4D、ソング・オブ・ザ・シー)
 (Grand Central泊)
25(水)
午前 マンダイ・ラン公園
ジョホール・バル
(アブ・バカール・モスク、サルタン王宮、マレー文化村)
午後 オーチャード通り散策
ナイト・サファリ
 (Grand Central泊)
26(木)
午前 シンガポール動物園
午後 オーチャード通り散策
ナイト・クルーズ
シンガポール発
 23:25 NH902
 (機中泊)
27(金) 成田着
 07:05
朗読(7'24") on
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Part3 観光二日目
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