あらまし ベルツ記念館 熱帯園
湯畑 白根神社
  
3.草津熱帯園 (2月27日)
 観光地のしょうもない子供だましと決めつけていたから、妻の強いリクエストと無料バスの送迎がなければ、行かなかったはずだ。
 昼前から1時間ほど見物。入口手前に猿山があり、30匹ほどの親猿、子猿が温泉池の周囲でひなたぼっこし、戯れていた。温泉は朝湯ですでに済ませたとか。
 この熱帯園をげてもの館≠ニ名付けたら、怒るだろうなあ。
 高さ15bというドーム状の館内に入ったとたん、むっとする湿気・熱気・異臭に、気分が悪くなりかけたが、異臭はつかの間。すぐに慣れた。
 それにしても、ワニ、蛇、イグアナ、トカゲ、カメ、野鳥……、どでかいのから小指より小さいのまで、250種、1千頭の動物がいるという。入園料9百円の値打ちはあった。
 いつ頃だったろうか。ぼくの好きなハワード・ホークス監督の「ハタリ!」という映画があった。「Wikipedia」の紹介を要約すると、
 ハタリ!≠ニはスワヒリ語で危ない!≠フ意。
 世界各国の動物園から依頼を受け、野生動物を捕獲するプロ・ハンターたちの世界に、美しい女性カメラマンが飛び込んできた。女嫌いのリーダー、ショーンらは思わぬ騒動によりてんやわんやになる……。
 豪快なサイや野牛の捕獲シーン、笑いを誘う500匹の猿の一網打尽≠ワで、スリル満点のシーンがユーモアたっぷりに展開!
 1961年公開。ジョン・ウエイン、エルザ・マルチネリ主演、音楽:ヘンリー・マンシーニ(「子象の行進」はあまりにも有名)。
 ホークス監督は、数多くの有名映画を世に出している。ぼくが見たのだけでも、「ハタリ!」以外に、「リオ・ロボ」「エル・ドラド」「リオ・ブラボー」「ピラミッド」「紳士は金髪がお好き」「赤い河」「三つ数えろ」「暗黒街の顔役」。
 ここは、あの映画のどのシーンからも想像できない、白昼のおどろおどろ≠ナある。
 突然で恐縮だが、ぼくの父は、若い頃の16才から17年間、アラフラ海で真珠取りをした。オーストラリアの東、ケアンズのすぐ北で、パプア・ニューギニアに近い。
 後、ぼくたち三人の子供に、寝物語で、そこでの生活をさも南の楽園の如くに聞かせたが、現実は、上の写真のこんな動物や爬虫類、両生類たちに取り巻かれた世界でもあったのだろう。
 ワニに下半身を喰われた人の話とか、毒蛇、奇病……、重い口を開いたのは、ぼくが成人してからだった。
 カメのすき焼き、カメの卵、真珠貝の肉の干物がなによりも好物の父だった。
朗読(4:14) on
<ベルツ記念館 湯畑>
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