初日(7月1日) 旅館到着、北向観音
2日目(7月2日)-1 周辺社寺
2日目(7月2日)-2 常楽寺、安楽寺
3日目(7月3日) 上田城址

 7月3日(金)、旅の最終3日目。快晴。

 午前中に予定していた常楽寺と安楽寺の見物を前日に果たしたのはいいが、その分折角の旅を部屋でぐずぐずはもったいない。
 帰りの新幹線乗車まで、上田城址をじっくり見て回ろう。
 9時に旅館・花屋をチェックアウトした。

 別所温泉駅まで徒歩10分。電車が待っていた。
 左右の景色を眺め、社内の宙づりに目を奪われているうちに上田電鉄・別所線の上田駅に着いた。 

 新幹線のJR上田駅は隣のビルだ。
上田城址

 まだ10時。新幹線列車の出発は14時15分だから、それまで4時間もある。
 上田市は何度か立ち寄ったが、観光の覚えはない。一度はJR駅前の若菜館に大学先輩の小宮山量平氏を訪ね、その3階のエディターズ・ミュージアムをご案内いただき、2階のうなぎ料理店でご馳走になった。がそれだけで終わっている。彼を慕う映画監督山田洋次の「たそがれ清兵衛」の格闘舞台となった千曲川河畔も見ずじまいになっている。

 さて、今回。とりあえず上田城址へ歩くことにした。そのあとはその時になって考えることにして。

 城址入口で物珍しげなぼくたちに気づいてか、紳士が話しかけてきた。
「ここは初めてですか?」
 思ったとおりとの表情で、
「よろしければご案内しましょう」
 まさに渡りに船。お言葉に甘え、10時半過ぎから、なんと2時間以上にわたって、〝城址をくまなく〟豊かな解説付きでご案内いただいた。

 (しゃちほこ)の展示場に来て、
「実は」と、彼が代表を務めるグループが現物をこの地中に発見し、復元したと明かす。彼が高橋今朝男氏ご本人だった。
 不自由なお体にかかわらず、階段の上り下りも含めて、最後までつきあってくれた。

 「(真田氏時代)上田城金箔鯱瓦」という。
 「上田城の金箔鯱瓦を復元しようの会」代表の高橋今朝男氏が復元原案者。
 高橋氏の言。
 「真田氏の栄華と匠の技を後世に伝えることを目的に、上田城の築城当時の金箔鯱瓦を復元しました。
 市在住の伝統工芸の技術保持者である亀山保男氏氏(鯱瓦作成)と小林泰夫氏(金箔加工、花岡塗)の協力によるものです。」

上田城址、その他の写真

………………………
旅館・花屋

 阪急トラピックス主催、今回旅行のタイトルが「文化庁登録、有形文化財指定の宿で過ごす日本の休日3日間」だった。宿は信州、風雅の別所温泉「旅館・花屋」。

 大正6年(1917)の創業だそうだ。敷地6500坪、建屋合計1500坪。棟ごとに渡り廊下で結ばれ、ほぼ全館が登録有形文化財指定の宿。
 〝部屋は間取りが全て違い、それぞれに当時の宮大工が手掛けた意気込み・遊び心を垣間見ることができます〟とある。
 思ったとおり、大正ロマンの宿として調度品も当時の趣のある物を設えてあった。
 風呂もこっている。

 〝全て源泉かけ流しで、ほんのり硫黄臭がする単純硫黄泉でやわらかな湯冷めのしない温泉です。露天風呂は独立して在り、実のなる雑木に来る鳥の声などを楽しめ、自然林の中の温泉をご満喫頂けます。〟

 食事も、

〝地元食材と出汁に拘った、本来の食の美味しさとバランスをお楽しみ頂けます。先ずは絶品のお椀からご賞味下さい。体に優しい食事で、完食して頂いても翌朝スッキリ目覚めの良い料理です。〟

 二人して夕食・朝食ともに満足だった。
 二泊三日、ありがとう。

旅館・花屋アラカルト

<2日目-2 おわり
初日(7月1日) 旅館到着、北向観音
2日目(7月2日)-1 周辺社寺
2日目(7月2日)-2 常楽寺、安楽寺
3日目(7月3日) 上田城址
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