上田城址
まだ10時。新幹線列車の出発は14時15分だから、それまで4時間もある。
上田市は何度か立ち寄ったが、観光の覚えはない。一度はJR駅前の若菜館に大学先輩の小宮山量平氏を訪ね、その3階のエディターズ・ミュージアムをご案内いただき、2階のうなぎ料理店でご馳走になった。がそれだけで終わっている。彼を慕う映画監督山田洋次の「たそがれ清兵衛」の格闘舞台となった千曲川河畔も見ずじまいになっている。
さて、今回。とりあえず上田城址へ歩くことにした。そのあとはその時になって考えることにして。
城址入口で物珍しげなぼくたちに気づいてか、紳士が話しかけてきた。
「ここは初めてですか?」
思ったとおりとの表情で、
「よろしければご案内しましょう」
まさに渡りに船。お言葉に甘え、10時半過ぎから、なんと2時間以上にわたって、〝城址をくまなく〟豊かな解説付きでご案内いただいた。
鯱の展示場に来て、
「実は」と、彼が代表を務めるグループが現物をこの地中に発見し、復元したと明かす。彼が高橋今朝男氏ご本人だった。
不自由なお体にかかわらず、階段の上り下りも含めて、最後までつきあってくれた。
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「(真田氏時代)上田城金箔鯱瓦」という。
「上田城の金箔鯱瓦を復元しようの会」代表の高橋今朝男氏が復元原案者。
高橋氏の言。
「真田氏の栄華と匠の技を後世に伝えることを目的に、上田城の築城当時の金箔鯱瓦を復元しました。
市在住の伝統工芸の技術保持者である亀山保男氏氏(鯱瓦作成)と小林泰夫氏(金箔加工、花岡塗)の協力によるものです。」 |
上田城址、その他の写真
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