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7月5日(木)
 山形県鶴岡市のあつみ温泉、「高見屋別邸・久遠」に泊っている。
 朝食は7時から。 さほどの食欲もなし、自宅でのいつもと同様・同量とした。妻はぼくより元気、食欲旺盛だ。
 8時にホテルを出発、奈曽の白滝へ向かう。妻は忘れずに車酔いの薬を服用。
 予報どおりの雨。が、こちらは普通の梅雨。今朝のテレビでも、西日本はいまだ豪雨が荒れ狂っている。

 日本海の海岸沿いを1時間ほど北上して、少し内陸に入ったところにあった。

1.奈曽の白滝
 林を通り抜け、川のあぜ道を20分ほど歩いたか。奈曽の白滝は、雨の影響もあってかなりの音量・水しぶきで落下している。
 「鳥海山へ向かう道・鳥海ブルーラインの途中に位置している。滝は、幅11メートル、高さ26メートル。
 奈曽川に流れているのは、鳥海山の雪解け水。その水が豪快に流れ落ちる滝壺の周辺は、マイナスイオンにあふれ、涼気に包まれている。」(にかほ市観光協会)
 わが故郷の那智の滝と比べるのは野暮だが、野性味があり、なるほど、やはり新日本観光地百選とか。

奈曽の白滝、その他の写真

2.象潟
 秋田県の南端にあって日本海に面した象潟が、いま陸地であることは承知していた。が、どのような地形がどのように変化したのか? 松尾芭蕉《寛永21年(1644)-元禄7年(1694)》の江戸・元禄時代の当時《元禄2年(1689)》は、奥の細道にあるように、内湾に小島が何十も浮かぶ潟湖だったはずだ。それがいまはどうなってる?
 「文化元年(1804年)の象潟地震で海底が隆起し、陸地化した。その後、本荘藩の干拓事業による水田開発に飲まれ、歴史的な景勝地は消されようとしていたが、当時の蚶満寺の住職・二十四世全栄覚林の機転や命懸けの呼びかけによって、後に保存運動が高まり、今日に見られる景勝地の姿となった。」(Wikipedia)
 内心、興味津々で象潟見物を期待していた。

 それが、今回はさる観光センターの展望階(6階?)から見下ろすだけだった。雨中、足元不如意もあろうが、残念至極。
 広がる海の左に小島が一つ。視界右側は海岸に波が打ち寄せている。真下の沿岸芝生に美女西施の像。それだけだった。
 ともあれ、芭蕉の奥の細道にある象潟のこの項、下記する。現在の陽暦では7月末の頃だったようだ。

 江山水陸の風光数を盡して、今象潟に方寸を責む。
 (中略)
 其の朝、天能く晴れて朝日花やかにさし出づる程に、象潟に舟をうかぶ。先づ能因嶋に舟をよせて、三年幽居の跡をとぶらひ、むかふの岸に舟をあがれば、「花の上こぐ」とよまれし桜の老木、西行法師の記念をのこす。江上の御陵あり、神功皇后の御墓と云ふ。寺を干満珠寺と云ふ。此の處に行幸ありし事いまだ聞かず。いかなる事にや。此の寺の方丈に座して簾を捲けば、風景一眼の中に尽きて、南に鳥海天をさゝえ、其の陰うつりて江にあり、西はむやむやの関路をかぎり、東に堤を築きて秋田にかよふ道遥かに、海北にかまえて浪打ち入るる所を汐こしと云ふ。江の縦横一里ばかり、俤松嶋にかよひて又異なり。松嶋は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり。
象潟や雨に西施がねぶの花
汐越や鶴はぎぬれて海涼し

 象潟から次の名所へ向かうバス車中で、芭蕉の句に触発されて、ぼくはこんなダジャレ俳句を楽しんだ。

三輪が崎時化に鯨が熊野灘
孔島沖鯨潮吹く浜に海女
(Off Kushima Island, a whale is blowing,
female divers are warming themselves at a bonfire.)
潮を吹く鯨沖合い海女焚き火
象潟、その他の写真
3.抱返り渓谷
 秋田県仙北市にある。
 いつぞや田沢湖周辺の温泉地を巡り、角館にも行ったのだが、その時思いもしなかった名勝だ。
 Wikipediaはこう記している。
 雄物川支流の玉川中流に位置し、全長約10kmで、田沢湖抱返り県立自然公園に指定。
 東北の耶馬渓の異名を持つ景勝地で、一湯、六滝、三島(奇岩のこと)の見所があるといわれる。見所としては巫女岩、山伏岩、茣蓙の石などの奇岩、回顧の滝(みかえりのたき)、百尋滝などがある。
 田沢湖の南方にあり、下流にはみちのくの小京都で知られる角館があるため、観光客は非常に多い。特に紅葉のシーズンには非常に多くの観光客が散策に訪れる。
抱返り渓谷、その他の写真
 夕刻5時前、大鰐温泉「青森ワイナリーホテル」着。
 7時半から食事会場で津軽三味線のコンサートがあると聞き、7時から夕食とした。
 「おしながき」の料理を、ワインとビールでいただく。

 男性2人の津軽三味線には感激・感動。30分ほど、コンサートに酔った。

津軽三味線コンサート、その他の写真

 本日のバス走行距離:360km。

朗読 11:13
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