Part1 再朗読完了
Part2 いままで
Part3 これから
Part3 これから
 さて、これから。
 いま書いている「続・朗読奮闘記」が、さしずめ気持ちを新たにした朗読第一号となるか。参考までに、現在使用中の三代目ボイスレコーダーの性能を、初代との比較表にしてみた。買い換えの経緯やそれぞれの特徴、満足度・不満度……、は前章で述べた。

SANYO デジタルボイスレコーダー

主な仕様 ICR-S340RM (3代目) ICR-B90RM
2008年 2003年
内蔵メモリ 1GB(1000MB)   128MB
録音時間 約142時間
 (ロングモード)
約71時間
 (スタンダードモード)
約35時間
 (ハイクオリティモード)
約10時間
 (ロングモード)
約6時間
 (スタンダードモード)
約3時間
 (ハイクオリティモード)
録再フォーマット MP3形式 MP3形式
入・出力端子 USB USB
電源 単4形アルカリ乾電池2本 単4形アルカリ乾電池2本
電池持続時間 36時間(連続録音)
34時間
 (連続ヘッドホン再生)
22時間
 (連続スピーカー再生)
6時間30分(連続録音)
10時間30分(連続再生)
外形寸法(mm) 幅38x高さ118x奥行き23 幅34x高さ117x奥行き24
重さ 約85g(電池含む) 約74g(電池含む)
ICR-S340RM
ホームページ容量の話
 第一線を退いて何年にもなるというのに、私ごとの「中高年の元気!」が会社の契約プロバイダーに同居していることに気が引けていた。
「わが社の宣伝になっていますし、大した経費でもありませんから」
 そんなY社長の心遣いにいつまでも甘えているわけにはいかない。
 …………
 2年前の夏、市内の大手電気店に立ち寄ったら、
「お客さん、いいプロバイダーを見つけましたよ」、顔見知りの店員が声をかけてきた。資料を前にして彼は説明する。
 ニフティの一部門で「ラクーカン」というプロバイダーのことだ。HP枠2ギガバイト(2000メガバイト)! その大容量が、初期費用 3,150円はともかく、1年ごとの更新契約で、年間利用料金 5,670円(473円/月)。これに決めた! だって今は2つのプロバイダーあわせて400メガバイトであるにかかわらず、利用料金はラクーカンと変わらない。
 善は急げと腰を据え、幾つかの作業を同時進行させた。
@ 「中高年の元気!」のプロバイダー移転手続き
A ラクーカンにてこれまでと同じURLの取得(http://chukonen.com)
B ラクーカンと新規サイト開設契約
C 新しいHP枠へ関係ファイルを容量いっぱいまで転送(ftp)。

 さほどのトラブルもなくうまくいった。神経を使い、少し手こずったのは、引き続きの使用にこだわったchukonen.comのURL再取得くらいだったか。他の作業も含めてもう一度やってごらんと言われれば困ってしまうが。

 2ギガバイトという大容量は、「中高年の元気!」にとってどれほどの大きさになるか。聞いてびっくり見てびっくり──まだ足りないのだ。
 朗読をナシ≠ノすれば、わがHPは1ギガバイトを少し超えた程度である。動画や容量をむしばむような凝った装飾のないHPとしては、それでもマンモスといえる。
 ではわが朗読の容量はどれくらい? 全部で1.5ギガバイト! 1500メガバイトに達している。朗読だけにラクーカンの1契約が奪われてしまう。それが2年前の現状≠セった。
 知恵を絞り、我慢に徹して、朗読は最近のだけをアップすることにし、新規朗読の都度古いのと入れ替えを行ってきた。
 事実2年前に契約したあとで、紀行文を数本書き、エッセイも何本か書き足した。その全てを朗読して、今や「中高年の元気!(朗読付)」の全容量は、ぼくのハードディスクの中で3.5ギガバイトにもなっている。
 HP枠2ギガバイトだけを前提に、更新の都度小細工を労してやり繰りする段階は終わったようだ──というよりも終わらせねば。ラクーカンと契約をもう一つ結ぶことにした。都合4ギガバイト!
 月当たりの利用料金は倍額の1千円弱となり、安い≠ニはいえないが、今のところ手に負えない金額ではない。
 主として「雑記帳」と「山歩き」の朗読を新契約のサイトに入れた。当分両サイトともゆとりを保てそうだ。そこでまた、別の大きな悩み!
 …………
 折角全ての朗読をラクーカンのサイトに送り込んだまではよしとして、問題はその天空彼方のサイトから地上のわが家へ音声が流れてくるまでの待ち時間である。
インターネットのスピード
 現在ぼくはケーブルテレビのJCOMと、ファイル転送について次の契約をしている。下り8Mbps、上り2Mbps。Mbpsとは、メガビット・パー・セカンド。
 下りの8メガビット・パー・セカンド(1秒間に8メガビット)は、1秒間に1メガバイトのデータ転送が行われることを指す。1バイトは1ビットの8倍だから。
 つまり、インターネット・サイトにあるぼくの朗読が自宅のパソコンにダウンロードされて、スピーカーから聞こえてくるまでの待ち時間は──1秒間に1メガバイトの容量単位で送られてくるから──次のような計算式が成り立つ。例を挙げよう。
 雑記帳第46-48話「怪獣の棲む講堂物語」は、ぼくの数少ない小説の一つだが、われながら異常に長い。文庫本ならさしずめ上下巻になるくらいで、朗読時間を総計すると10時間近くになる。
 初稿を書いた3年前(2006年)は活字だけインターネットにアップして、傍ら面白半分にやった、連続で半日近くに及ぶ朗読は、ハードディスクの中で安眠していた。
 当時まだ400メガバイトのホームページ枠、その容量も写真や朗読をできるだけ節約して、なおかつ満杯に近い。そこへこの小説の朗読──260メガバイトの、ゴジラに匹敵する大怪獣である。
 それが1年たった2年前にニフティのラクーカンという大容量・格安プロバイダーを見つけて、早速契約した結果、2ギガバイト(2000メガバイト)の容量を確保できることになった。いざや朗読全てをアップ。
 ちょうどこの小説の第2稿が終わったところなので、大容量確保にあわせて、朗読もやり直すことにした。所要時間はトータルではほぼ同じ長さになった。
 他の紀行文やエッセイと同様に、「怪獣の棲む講堂物語」も、朗読の一区切りを10分から15分程度にしている。全部で45区切りのうち、20分を超えるのは5つだけで、最長は23分18秒だ。
 ……インターネットから自宅のパソコンに、朗読が到着するまでの待ち時間の問題だった。
 ダウンロード8Mbpsということは、上に書いたように、1秒間に1メガバイトずつ送られてくることを意味している。総朗読平均値の13分を取り上げるとして、それが自宅のスピーカーから聞こえてくるまでの時間は、
 1分間に435キロバイト消費されるから、
13分の朗読容量 = 0.435MB X 13分 = 5.655MB
5.655MB / 1MB・秒 = 5.655秒
 つまり、朗読13分のダウンロードは6秒程度だということだ。しかし……、現実には10数秒待たないと声が現れない。なぜだ?
 JCOMサポートセンターに電話で尋ねた。
「ダウンロード8Mbpsで契約しているのですが、思った倍以上も待たなければ聞こえてこない……」
 余分な説明を加えるまでもなく、了解とばかり、
「そのときの通信状況やあなたのパソコン環境等に影響されていると思います。速度測定をされたことありますか?」
「え──!」
 サポートの男性にしたがったところ、8Mbpsで契約したぼくのパソコンのインターネット環境は、只今現在、ダウンロード・スピード4.37Mbpsだった。
 ということは、理論値よりも現実の速度は(8Mbps÷4.37Mbps)で、1.83倍遅くなっている。
5.655MB X 1.83 = 10.35秒
 実際にはもう数秒余分にかかっているが、ほぼ納得できた。
 …………
 これからのインターネット環境は?
 数年前から、ゲームや動画がインターネット上に氾濫することになり、ダウンロード・スピードの飛躍的向上がプロバイダー業界の緊急の課題となった、と業者はいう。その結果、1,2年前からNTTやKDDIといった大手のサービスは、従来の値段に百円玉を数枚足すだけで、10倍以上の速さという100Mbpsを提供するようになった。
 JCOMも負けじと1年前に、「ウルトラ160Mコース」を新規開設している。160メガビット・パーセカンド。値段は他の大手と五十歩百歩で、理論上、1秒間に20メガバイトの容量が天空から自宅に送り届けられるということ。
 そのスピードを享受すれば、ぼくの朗読13分(6メガバイト弱)やそこらは、一瞬にして机上のスピーカーから聞こえてくるはずである。近いうちに展示場へ行って試してみたい。
 が、「中高年の元気!」に立ち寄ってくれそうな人々のインターネット環境はどうだろうか。ゲームや動画好みの人々は少なかろう。ぼくの今の環境と同じと考えてよい。……しばらくは、マンモス・スピードへの契約更新をしないことにした。願わくば、全国民が最先端のインターネット環境を享受できる日の早からんことを。
 …………
 まとまりのないまま締めくくることになった。というのも、このエッセイを書きはじめてから、何かと雑事に忙殺されて、延べ2ヶ月にわたる難産の末である。間延びしていたり、前後のつながりで首を傾げさせたりするところもあろう。勢いに任せて書き進めるべきところを何度も中断した罪への罰ということだ。
 大いに加筆修正・推敲すべきところだが、気力が失せた。心ならずも筆を置く。
 参考までに、朗読3種類を例示しておく。
 1999年8月白馬三山に登った。それを「山歩き第23話」として掲載している。
 白馬山荘に泊まった翌朝からの長い苦しい一日の山行は忘れられない。今回取り上げた朗読部分は、その日の白馬鑓ヶ岳を極めたときの一区切りである。
 Yさんに手伝ってもらった2001年のと、初代ボイスレコーダーによる2003年のと、最新機種による本年1月のが見つかった。
 この山行を含めて、2003年までのエッセイ・紀行文で、なぜか二代目で再録音したのがない。確かにその記憶はあるのだが……、ここでもいい加減さが暴露してしまった。
 やむなく二代目の録音として、雑記帳第46話「怪獣の棲む講堂物語」の一区切りを加えることにした。
 …………
 ついでながら、その下に中村達夫氏の「すみだ郷土文化資料館」での講演録音も載せておく。2003年初夏だった。初代ボイスレコーダーを購入したてで、そのルーキーが初陣にもかかわらず、見事に大役を果たしてくれた。思い出の成果ということで。
朗読(18'47") on
Part2
〔いままで〕
続・朗読奮闘記
おわり

《参考》 中村達夫氏講演内容
雑記帳第32話「母校の話」として掲載
録音日 機種 録音時間
2003.07.12 初代 1時間48分23秒
Y氏のMIDI音楽
中高年の元気! on
ピーチャンのバラード on
三輪崎の海 on
光洋中学校校歌 on
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再朗読(2023.06.12)
「続・朗読奮闘記 2009」
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