「パルコール嬬恋」の各種営業
「パルコール嬬恋」はその名のとおりリゾートホテル≠ナある。夏のゴルフ場と冬のスキー場を併営している。
スキー場とスキー客専用のホテル「パルコール嬬恋スキーリゾート」は12月から4月上旬まで、「パルコール嬬恋ゴルフコース」は4月中旬から11月下旬までの営業とか。
スキーは門外漢だし、ゴルフはもはやなんの興味もない。だからまたの滞在機会があっても、ホテル二大看板の恩恵に浴することはないだろう。
さりとてゴルフは昔取った杵柄だから、軽井沢アウトレット往復の道すがら興味深くコースを垣間見、パンフレットにあるレイアウトや18ホールのヤーデージ表をかつての自分に返って見つめた。
たしかにひと頃なら「ワンラウンド!」。そんな気持ちになったろう。標高1000m以上にして、レギュラーティで6300ヤードはあり、各ホールとも難と易が交錯しているようで、一ひねりを感じる。一日を楽しめそうだ。四阿山を正面に見はるかす18番グリーンで記念写真も悪くないし。
高原のリゾートホテル≠セから館内も、自慢の和・洋・中華のレストランはもとより、各種の趣向が凝らされている。
温水プール、ビリヤード、卓球台、スカッシュコート、それに大浴場「四阿山の湯」はもちろん天然温泉だ。
地名、等
「嬬恋村」とはいい名を付けたものだと、由来を調べた。インターネットの某サイトはこう説明している。正否はともかく、紹介しておく。
「第12代景行天皇の皇子「日本武尊」の東征中に、海の神の怒りを静めるために愛妻「弟橘姫」が海に身を投じました。その東征の帰路、碓日坂(今の鳥居峠)にお立ちになり、亡き妻を追慕のあまり「吾嬬者耶」(ああ、わが妻よ、恋しい)とお嘆きになって妻をいとおしまれたという故事にちなんで嬬恋村と名付けられました。」
では「パルコール」とは? Pal Call(s)=Aつまり友は呼んでいる≠ゥ? Nature Calls≠ネんて、つまらない連想をした。
ホテル館内もひねった名前が目につく。
フレンチレストラン「メルベイユ」(Merveilleux=すばらしい?)、和食レストラン「浅間」、中華レストラン「フローラ」(Flora=ローマ神話の、花と豊穣と春の女神?)……いずれもキャベツをはじめ地の高原野菜料理が売りとか。
ぼくたちは朝・夕食ともすべて「メルベイユ」で、和・洋・中華満載のバイキングだった。
そして3階のお夜食処「モンクール」(Mon Coeur =わが心?)。朝食後に中で少しくつろがせていただいた。そのあとフロントに行って、
「たしかヴェルレーヌの詩にこの言葉があったはずですよ」。
ひけらかし屋のぼくはフロントのSさんに自慢たらしく話しかける。意外、彼女は先刻承知だった。
「ヴェルレーヌのちまたに雨の降る如く≠フ詩に出てきますね」と。
内心忸怩たる気持ちを込めて、雑記帳第42話「フランス紀行2007」からその詩「巷に雨の降る如く」(詩集『言葉なき恋歌』より)を引用する。
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Il pleure dans mon coeur |
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巷に雨の降る如く |
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Comme il pleut sur la ville; |
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わが心にも涙ふる。 |
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Quelle est cette langueur |
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かくも心ににじみ入る |
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Qui penetre mon coeur? |
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このかなしみはなにやらん? |
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堀口大學訳 |
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