和文 英文
1. ポツンと一軒家?
2. 古希からの13年を追う
 2023年暮、83才と7ヶ月にして〝釣瓶(つるべ)落とし〟と言いたくもなるぼくの行動半径、今日この頃。
 わが友「中高年の元気!」の中心広場たる「雑記帳」の作品を眺めても、この5月に仙台とそのぐるりを旅した紀行文「仙台周辺三日間、2023」が創作の最終。その後近況と回顧の数作品を追加してあるが、内容も文章も活力に欠ける。

 3年前(2020年)の12月、「わが友、中高年の元気!」なるエッセイを書き、ぼくの還暦(60才)から傘寿(80才)に至る20年間における〝わが友の足跡〟を振り返った。
 それから今迄、全てをその間に蔓延したコロナ禍の所為(せい)にしたくはないが、心身とも急激な衰えを自覚しつつ、物書き趣味は、これまでの和文作品の英訳を除けば、身辺状況のエッセイ数編と紀行文「2022年梅雨時、松本市・安曇野 3日間」のみ。
 先月有馬温泉と神戸周辺を3日間旅したが、紀行文作成の意欲も気力も失せて、「某日@某所」広場に写真集を残して終えた。

 暮れも押し迫ったいま、時間つぶしにもう一文、「続・わが友〝中高年の元気!〟」と題して、回顧趣味の続きに浸りたくなった。

1. ポツンと一軒家?
http://chukonen.com
雑記帳 山歩き
12の広場から成る〝わが友〟のトップページ
 今やわが分身たるこのウェブサイト「中高年の元気!」は、インターネットの宇宙空間で、スマホ入り乱れる大銀河を余所(よそ)に、人知れずポツンと一軒家を囲っているか。
 今回は古希(2010年、70才)からの10数年に絞って振り返ることにした。次章にその道すがらのエッセイそれぞれの概略を「古希からの13年を追う」としてピックアップする。

…………………………

 わが分身を語るものとして、以下のこのイベント、古希より10年前、今からなら22年も前の出来事ということで素通りするをはばかる(2年前に「『半生の記』広場を新設」でも触れたのだが、…)。

 還暦を目の前にした20数年前、左半身ハンデのリハビリを兼ねて山歩きに励んでいた。一方、NHK文化センター東陽町教室でシニアパソコン教室の講師を務めていたこともあり、出来立ての「中高年の元気!」に『山歩き』広場を設けて、山行の都度紀行文をアップし、教材として活用した。

インパク

 ちょうどその頃(2001年)、政府主催のインパク(インターネット博覧会)が全国の公私ウェブサイトの大いなる振興を図って、某日、東京都内の某所にて記念大会を催した。〝わが友〟のお陰でぼくもちょび(ひげ)(当時)で出席した。写真のとおり。

 経済企画庁長官を務めていた堺屋太一氏の発案で始まった日本国政府のミレニアム記念事業の一環、また経済振興策として2000年12月31日から2001年12月31日まで1年間行われた、博覧会を模したインターネット上の行事。
 ……、主催は、総務省大臣官房管理室・新千年紀記念行事推進室。担当大臣は堺屋太一氏から会期中に経済財政政策担当大臣竹中平蔵氏に引き継がれた(メインゲートの協同編集長は荒俣宏氏、糸井重里氏ら4人)。民間からの支援団体としてインターネット文化振興協会が設立され、理事長にトヨタ自動車会長(当時)の奥田(ひろし)氏が就任している。(ウイキペディア)

 本件、日本政府肝いりで威勢のいい旗揚げだったにも拘わらず、この大集会が終わってしばらくすると、なぜか彗星の去るが如く宇宙の彼方に消えてしまった。
 残念至極。政府をして広く皆さんにご高覧いただくチャンスを逸したわが友、その頃こんな広場を備えていた。

2001年当時の〝広場〟

「山歩き」「某日@某所」(写真集)、「雑記帳」(エッセイ、紀行文、自伝小説)、「小話集」(小エッセイ、小紀行文)

 その後の20年近くを更新履歴で辿(たど)ると、……

2004年、次の3つの広場を新設。
「覚え書き」……〝落語でよいしょ〟と〝精選江戸川柳〟を集約。(以降2023年の今迄に追加したコーナー……〝イクスピアリ2000〟、〝50代のぼく〟、〝夫婦旅〟、〝BGM Saloon〟、〝十二月クラブとは〟、〝AAネットでの交流〟、〝UIFAでの交流〟)
「USA 69-70」……〝Penn State〟と〝26日間三人旅〟を集約。米国Penn State大学での社費留学思い出集。妻・長女と離れて1年間、正直、長かった。
「南紀熊野紹介」……紀伊半島南部に広がるこの一帯とその片隅に位置する〝ふる里三輪崎〟(和歌山県新宮市三輪崎)を自分なりに紹介。

2010年(古希の年)、
「俳人えり好み」……江戸~近代の著名俳人の句、それに加えて妻〝知る女〟の句。

()くるもの殺生石と地蔵尊 (2010.09)

「旅日記」……各広場に掲載してある旅の写真集・紀行文をここにもまとめて転載した。

 2011年、次の2つの広場を増設。
「名演説で学ぶアメリカ」……米国歴史上著名人物の演説集(英文と和訳、注釈)。研究社に出向いて本件の意図を伝えたところ、好意溢れる貴重な助言に加えて関連書籍をいただいた。
「English Edition」……主として「雑記帳」と「小話集」の紀行文(国内、海外)、自伝小説4部作、エッセイあれこれ、自作和文の英訳をここに集約。プラス、Eメール日記。

 2019年のいつからか、丸々1年かけて英文翻訳小説「The Last Shogun」を和訳。原作「最後の将軍」(司馬遼太郎)を引き合いに出すのは野暮だが、それを読まないままの和訳達成に自己満足。

 2022年、
「ぼくの半生記」(2020年)を改良して、ぼくたち夫婦の「半生の記」広場とする。
 一緒になって半世紀強、その間、家族を取り巻く悲喜こもごも。写真を交えてここに集約した。

…………………………

 その間の特記点を以下に取り上げる。


朗読付きへの道


当時の写真

 古希前年の2009年、「続・朗読奮闘記」なるエッセイで、わが友が本格的に朗読付きになっていく過程を記述した。ウェブサイト容量大食いで、しかもダウンロードに余分な時間を要する自身の朗読をインターネット空間から何の不便も感じずすぐ聴けるようにしたい。そのためには、ウェブ・インフラの技術とサイト維持に要する費用両面の革新が不可欠。それが実現の兆しを見せたのがその頃だった。
 わが友もプロバイダーをそれなりの大手に乗り換え、料金は少しアップしただけでサイト容量は10倍に増加。ダウンロードのスピードも格段の進化を遂げた。今に至るその後の更なる驚異的技術革新はご想像にお任せする。

 2023年現在、ウェブサイトからダウンロードできるぼくの朗読は、総計1,000時間ほどか。20年前のまだ張りのある声から最近の老いただみ声まで、その時々の状況も加わって、自身としてはまんざらでもない。事実、朗読中の適度な緊張は心身いずれにも有益と心得ている。結果として、目にも耳にも憩いの場となる、との思いで。
 ウォーキングや旅行中、気のおもむくままに作品を選択して聴く。その間に新たなアイデアが生まれて次の作品につながったり、少なくとも若干の手直し箇所が見つかるといった利点もある。
 創作意欲・気力が薄れ、もはや未朗読作品なき今、独りよがりの再朗読・再々朗読は時間つぶしに留まらず、自身にとって心地よいひと時である。

 ついでながら、各作品や朗読のBGMに尽力くださったY氏のMIDI音楽を3つ挙げる(ぼくのために作曲・演奏ともY氏)。

「中高年の元気!」  「三輪崎の海」  「希望」

 Y氏との交友はぼくの誇りだ。彼、作曲家・演奏家で、オルガン・ギター・フルート等、様々な楽器をこなす。ご自宅2階のお部屋はそれらの楽器であふれている。
 演奏はMIDI音楽で録音してあり、そのうち122曲をわが友の「覚え書き」広場に「Kenzo Yoshino's BGM Saloon」コーナーで公開させていただいている。お立ち寄り願えれば幸い。
 (MIDI…Musical Instrument Digital Interface、電子楽器デジタル・インターフェース)


「2013年、新春雑感」より

 「雑記帳」広場に第73話として掲載したこのエッセイの第2章「HPの1年」に次の記述がある。何につけ気力の衰えを愚痴りながら、デスクワークでこんな帳尻合わせをした、と。

1. 20代から50代まで、書き足らない分の追加……落語の話、英国旅行での逸話、等の小エッセイ
2. 英文童話の翻訳……米国ハワイ島に住むD君の創作童話「カメレオンのカールだよ」

 D君は、大学浪人時代からずっと恩義に預かった故郷の宣教師GS先生の三男。
 親しい付き合いが続く中で、2005年、当時彼はハワイ島のコーヒー園で働いており、彼のお陰でぼくたち高校同期のみくまの会仲間20人の〝ハワイ旅行6日間〟が実現した。
 コーヒー園では懇切丁寧なガイド、海岸の自宅へも案内してくれた。


「2015年秋、今日この頃」より (雑記帳第91話)

 第2章「旅行、趣味」と第3章「英文広場」の記述を拾うと、

 本年も国内旅行は「松島、瑞巌寺、五色沼」をはじめ5ヶ所を訪れ、年末には「九州北部周遊4日間」を予定している。
 海外は前年の「バリ島、ジャバ島」で打ち切りになるか。
 現在の趣味は英語に集中している、ひと頃のヘッドホンで落語鑑賞、ステレオ装置でクラシック音楽鑑賞は、外出時も作業室でも寝床でも、英語に耳を奪われてしまった。されど、その英語も未だナチュラルスピードについていけないもどかしさ。UIC(浦安国際センター)の「シニア英会話」には通っているし、三人英会話も続いている。

 前年5月に開設した「English Edition」広場は、自身のこれまでの紀行文や小説、エッセイの英訳で拡充は順調にはかどっている。フェイスブックでスペイン女性と知り合い、彼女を意識して、いつぞや(2006年)のスペイン・ポルトガル紀行文を英訳し、この広場に掲載した。彼女の喜びよう!

戌年(いぬどし)の2018年、年明けて」より (雑記帳第109話)

 前年の晩秋、信州白骨温泉へ旅した。その往復列車内での殴り書きをこの第3章に掲載してある。

 「英文広場(English Edition)」で誇示よろしく次の2点を強調。

「English Diary」……3年7ヶ月続いている英会話仲間IさんとのEメール交信、そのこちら発をこのコーナーに掲載続行中。ひも解くと日記よろしく、その間の日々のことを結構思い出させる。Iさんに感謝!
 (その後この交信は同年2月7日まで続いたが、Iさんの長期入院のため、終息せざるを得なくなった。残念ながら、その年Iさんは逝去された。
 当然ながら、仲間Mさんの同意を得て、〝3人英語で雑談会〟も終息。)

 時事英語講座のテキスト原文とぼくの和訳……既に36トピックを掲載。T先生も喜んでくれている。

 休肝日のない晩酌に頭を搔きながらも、自責の念なし。

2022年、「半生の記」広場新設 (雑記帳第146話)

 前年秋、心拍調整の「ペースメーカー」植込み手術を受ける。その後日頃の創作意欲を失くしたまま、暇つぶしも兼ねてぼくたち夫婦の半生を広場としてまとめることにした。

*小説4題……海の男の一生(父母)、ぼくのサラリーマン25年(わが夫婦)、ピーチャンとぼくの50代(かわいいセキセイインコの一生)、怪獣の棲む講堂物語(ぼくの誇らしい60代の出来事)
*還暦後の夫婦旅……国内:約70回、海外:19回
*70代の日々……主だった日々の生活模様
*知る女(妻)の句集、約1,500句
*父母とぼくたちの写真集

 その他、傘寿(80才)を跨いでのあれこれをピックアップ。中でも英文翻訳された小説「The Last Shogun」の和訳達成に至極満足。その苦闘1年間を振り返っている。
 末尾に自慢の朝食。これは2022年1月11日。

…………………………

 取り止めのない独りよがりの思い出に終始してきた。以下次章で、古希以降の折々の寄り道小話を拾ってみる。

Part 1 朗読 21:51

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