Part 1
Part 2
Part 2
 グレースさんの故郷フィリピン・ミンダナオ島が大打撃を(こうむ)ったあの日(12月4日)からちょうど2週間後の12月18日(火)は、前々日が衆議院議員選挙だった日で、毎日新聞の朝刊は、どのページもその関連記事で埋まっていました。
 暇にあかせて何気なく各面の小さなコラムを拾い読みしていましたら、第六面(国際版)の下部、大きな広告欄の上にちょこんと「NEWS 25時」の一つの記事として、握りこぶしの四分の一くらいの大きさで次の記述があり、ハッとしたのでした。
フィリピン、台風死者1020人に
 フィリピン南部ミンダナオ島に深刻な被害をもたらした台風24号の死者は16日、計1020人となった。災害当局が発表した。 【共同】

 ぼく自身、シニア英会話最終日の数日後に那須高原へ1泊旅行し、その紀行文を小話集第54話として掲載したあとで、退屈の虫の来襲を気にしだした頃でした。追い払うべく、次なるエッセイに思いをはせたときでもありました。

 「グレースさんは今ごろミンダナオ島へ帰っているのだろうか? 台風の被害は?」と、インターネットで検索してみましたら……。(瓢箪から駒で、写真集「某日@某所」に載せる予定だった「シニア英会話2012」が、結果的に場所を替えてふくらみ、「小話集第55話」のエッセイということになりました)。

 数日して、英文のWIKIPEDIAに目をとおしますと、今年の台風24号について、次のように解説していました(12月19日現在)。
 参考までにぼくの和訳を下部に載せました。

Typhoon Bopha (international designation: 1224, JTWC designation: 26W, PAGASA designation: Pablo) was the strongest tropical cyclone to ever hit the southern Philippine island of Mindanao, making landfall as a Category 5 super typhoon with winds of 160 mph (260 km/h). Bopha originated unusually close to the equator, becoming the second-most southerly Category 5 super typhoon, reaching a minimum latitude of 7.4°N on December 3. Only Typhoon Louise of 1964 came closer to the equator at this strength, at 7.3°N. After first hitting Palau, where it destroyed houses, disrupted communications and caused power outages, flooding and uprooted trees, Bopha made landfall late on December 3 on Mindanao, an island that had been devastated by Tropical Storm Washi in December 2011.The storm caused widespread destruction on Mindanao, leaving thousands homeless and more than 600 fatalities.

After hitting Davao Oriental and Compostela Valley provinces, Typhoon Bopha crossed the southern and central regions of Mindanao, cutting power to two provinces and triggering landslides. More than 170,000 people fled to evacuation centers. The typhoon moved to the South China Sea west of the Palawan island province, eventually dissipating on December 9.

Formed November 25, 2012
Dissipated December 9, 2012
Highest winds 10-minute sustained:
185 km/h (115 mph)
1-minute sustained:
260 km/h (160 mph)
Lowest pressure 930 mbar (hPa); 27.46 inHg
Fatalities 1047 total, 841 missing
Damage $590 million (2012 USD)
Areas affected Federated States of Micronesia, Palau, Philippines

(From Wikipedia, the free encyclopedia)

【日本語訳】
 国際的には台風1224(台風24号)、米国陸空軍合同警報センター(JTWC)では26W 、フィリピン環境・地理・宇宙サービス機構(PAGASA)ではパブロ(Pablo)と名付けた台風ボーファ(Bopha)は、フィリピン南部のミンダナオ島を直撃した過去最大の低気圧で、瞬間風速が時速260kmを記録した第5級のスーパー台風でした。

 ボーファは異常なまでに赤道に近いところで発生し、12月3日北緯7.4度まで来たときには観測史上最も南からの第5級スーパー台風に発達していました。赤道直近(北緯7.3度)からこの強さでやってきた台風は、1964年のルイーズ台風(Typhoon Louise)だけです。

 先ずパラオ(Palau)を席巻して家屋を破壊し、通信網を遮断し、停電をもたらし、洪水を起こし、木々を根こそぎにしました。
 その後12月3日遅く、ボーファはミンダナオ島に上陸しました。この島は昨年の12月、熱帯性低気圧ワシ(Washi=台風21号)によって大打撃を被った島です。あの時、ワシはミンダナオ島全体にわたって何千人もの家屋焼失と600人以上の死者をもたらしました。

 台風ボーファは、ミンダナオ島のダバオ・オリエンタル地域とコンポステラ盆地地域を直撃したあと、島南部と中部地域を横切り、これらの地域の電力供給源を絶ち、土砂崩れをもたらしました。17万人以上の住民が避難区域に逃げました。

 台風ボーファはこのあと、パラワン島の西にあたる南シナ海に移行し、12月9日に消滅しました。

データ
発生 2012年11月25日
消滅 2012年12月9日
最大風速 時速185km(10分継続)
最大瞬間風速:時速260km
最低気圧 930 ヘクトパスカル
死者 1047 人
行方不明 841人
被害額 590 百万ドル (2012年 USドル)
被害地域 ミクロネシア、パラオ、フィリピン
《参考》 ミンダナオ島

 ミンダナオ島(Mindanao)はフィリピンでルソン島に次いで2番目に大きい島。フィリピン諸島は、ルソン島周辺の群島・ヴィサヤ諸島・ミンダナオ島周辺の群島という3つの大きな群島で構成されているが、国土の南3分の1の部分にあたるのがミンダナオ周辺の群島である。ミンダナオ群島はミンダナオ島とその南西のスールー諸島などから構成されており、6つの地方と26の州からなっている。

人口 : 21,582,540人 (2007年)
面積 : 97,530 km²
…………………………

 数日前に国際センターに行って、「グレースさんはもうミンダナオ島の故郷に帰られたでしょうか?」と訊ねましたら、そのとおりでした。
 「楽しいクリスマスと新年であればいいのですが……」、センター長のFさんもぼくと同じお気持ちでした。
 島全体もグレースさんの故郷も、被害が軽微であることを祈ります。友人たちと久しぶりの邂逅を楽しんでおられますように。
 来春の新学期には、いつものほがらかなお姿でお目にかかれますように。

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小話集第55話
「シニア英会話と台風24号」
おわり
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「シニア英会話と台風24号」
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