さて本日、シニア英会話今期最終の日の夜6時過ぎ、ぼくがマーレ2階の国際センターに入ろうとしたとき、入口の片隅でグレース先生がいつにない真剣・心配そうな表情で携帯電話(talking
on her cell phone)していました。
授業のはじまる前に訊ねたところ、こういうことだったのです。
この日、12月4日、季節を間違え、進路を取り違えて暴走したとしか考えようのない台風24号が、フィリピン南部、グレースさんのふる里の島、ミンダナオ島を直撃していたのです。
顔色もさえないグレースさんは、お持ちのアイパッドを操作して、インターネットが伝える、台風24号が今まさにこの島に大きな爪痕を残しつつある惨状をぼくたちに見せてくれました。
海に面した村のようですが、彼女のふる里からさほど遠くないといいます。
そのせいで、島はどこも電気・水道といったライフラインが断絶状態で、ケータイも非常につながりづらいと、先生は焦燥を隠せません。
地球温暖化が台風の気を狂わせ、普段はその近くで発生するが進路には縁遠いフィリピンを通過するようになり、まさに季節外れの昨年12月中旬、超大型台風がミンダナオ島をめちゃくちゃにしたのでした。1000人を超す死者・行方不明者が出たことは、まだ遠いニュースではありません。
ちょうど1年たって、ビデオでプレイバックするように、今度も超大型台風24号がいまこの島を容赦なく蹂躙しているのです。
…………
その夜からのテレビ、翌朝からの新聞に数日間注目したのですが、ミンダナオ島の被災及びその後どうなったのか、期待したほど報道されませんでした。
ぼくの関心が強すぎたのでしょうか。世界的に取り上げるほどの大きな出来事ではなかったのでしょうか。
それにしてもその日のクラスで、グレースさんが見せてくれたユーチューブの動画に息をのんだのですが。
そのうちぼくの頭からも、あの生々しい映像は遠ざかっていました。
10日ほどして、念のためにインターネットで検索しましたら、少々旧聞の12月6日付でこんな「スポニチ」の記事がありました。
フィリピン南部ミンダナオ島
台風24号で死者300人超
フィリピン南部ミンダナオ島を4日に横断した台風24号による被害は5日、さらに広がり、鉄砲水や土砂崩れなどによる確認された死者は計305人になった。災害対策当局と国軍への取材で分かった。被災者は約21万人で17万人余りが避難所に残っている。行方不明者も多数に上っているという。
在マニラ日本大使館によると、日本人の死傷・不明者は確認されていない。
アキノ大統領は事態を重視し、被災者に衣服や飲料水などを支援するよう国民に訴えた。
災害対策当局や国軍によると、ミンダナオ島コンポステラバレー州と東ダバオ州での死者が大半で、ミンダナオ島周辺地域でも犠牲者が出た。各地で橋や道路が寸断され、停電も発生し、被害の確認や救助活動に支障が出ている。
気象当局によると、台風24号は5日午後、西部パラワン島を横断し南シナ海に抜けた。(共同) --- 2012年12月6日 00:20
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Part 1 朗読 10:46
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