1.前立腺ガン?
2.ルパン文芸
「小話集」表紙へ
Part1 前立腺ガンの疑い
 2012年10月11日、前立腺ガンの疑い≠ナ、順天堂浦安病院に検査入院した。

初日(10月11日、木)

 10時、入院手続き。妻が付き添う。
 申し込んでいた4人部屋に空きなし。4B病棟5人部屋を了解する。……「本人の現状報告」で、「性格」の項にぼくは楽天家=A妻はぼくを慎重派=Aなるほど。
 11時、入室。パジャマに着替え、体温、血圧、脈拍、排尿状況確認……。以降、検針手術部位の除毛、シャワー。
 昼食後、麻酔科医師により麻酔の説明(硬膜外麻酔、準全身麻酔を施すよし)。
 夕食のあと下剤服用。以後食事禁止、零時より水分も禁止。

二日目(10月12日、金)

 朝食なし。7時半、浣腸。
 10時半、2階手術室にて検査着に着替える。局部麻酔「硬膜外麻酔」、マスク……昏睡。
 12時、目覚めると病室に戻っていて、妻が横に。
 左腕に点滴、尿道に管、両足はマッサージ器に固定。あお向けで、身動きはベッドの昇降だけに制限されている。この状態は明朝の検診まで続くという。
 19時、夕食。尿は管が用を果たしている。

三日目(10月13日、土)

 8時朝食。9時半すぎて尿管・点滴・マッサージ器除去。自由の身となる。
 まずはトイレへ。わが血尿を見るのは初めてではないかな。妻はすでに来ている。村上春樹はノーベル文学賞を逸したようだ。……、ということは入院中テレビ・ラジオ・新聞とは無縁だったということ。
 11時、退院手続き。検査の結果は今月末にご託宣とのこと。要手術は間違いないとして、ガンはどの程度進行しているか。

…………………………

 3年前の定期検診で引っかかった。が医師の強い指示もないから、そのままにした。
 2年前の検診ではPSA値が上昇していたが、やはりそのままにした。医師には泌尿器科へ行くことを約束しながら。
 昨年は定期検診を受けなかった。

 本件と関わりがあるのかどうか、数年前から頻尿気味で、最近それが顕著になり、粗相も経験するようになった。
 恥ずかしい思いをしながらも我慢していたが、この8月の「上海と江南地方、8日間」の旅を考えて、頻尿抑制の薬をあつらえてもらうべく、順天堂浦安病院泌尿器科で診療を受けた。
 錠剤2種類が処方されたまでは思惑どおりだが、強制的に検査入院を指示されたのは想定外だった。PSA値が異常な域に達しているとか。
 その1週間後に受けた医院での定期検診でも「前立腺ガンの疑い」を言い渡された。

 8月24日から31日まで、妻とツアーに参加して上記の旅をした。心配した頻尿によるトラブルはなく、ほっとした。
 予定されている10月11日から3日間の検査入院まで約40日間。紀行文に与えられた期間としてはちょうど程よし。

 1.撮り溜めた千数百枚の写真整理。気に入ったのを抽出→トリミング等の加工→日付順に区分け。
 2.各地で集めた資料や観光誌の助けを借りて、旅先それぞれを振り返る。
 3.ホッチキスで留めたメモ用紙10枚程度を9組つくる。8日間分とアラカルト。それぞれに振り返ったトピック≠記入していく。
 以上に1週間かかった。紀行文の準備作業完了。

 ぼくの紀行文は書くにつれて体裁が整っていくというスタイルである。今回も、結果的には日付を追う形になったが、その間の試行錯誤・紆余曲折は、いつものとおり絶え間なかった。
 加えて今回は、気力減退によるこれで打ち止め♀エと、近々ガン検診を受けなければいけないという心境を反映して、余分な力が入った分長くなった。
 最終原稿をテスト朗読で推敲し、仕上げの朗読をしたら、2時間30分50秒の長編になっていた。10月2日完結。72歳の一里塚とした。(雑記帳第72話「上海と江南地方の旅2012」)

 それから1週間ほど、気が抜けた状態が続く。好きな映画を見たい気にもならない。
 午前中はスポーツプラザでモーニング・ストレッチやそれなりの運動スケジュールに費やす。
 午後はこれといった予定がないから、自転車を漕いで街路を巡ったり、ケーズ電気やスーパーマーケットをうろついたり……。
 夜は晩酌で、7時過ぎにはほろ酔い気分。寝床でiPodのお世話になる。出来たての自身の朗読を聞いたり、志ん生か米朝の落語に笑いながら、いつしか白河夜船。
 朝早く起きて、紀行文の続きに取りかかろうとするが、「そうだ、もう終わったのだ」。検査入院まであと3日。
 そんなときだった、山本祐司氏の「ルパン文芸サークル」を知ったのは。

朗読 (9:42)
Part1(現在地) Part2>
1.前立腺ガン?
2.ルパン文芸
第51話 「小話集」表紙へ 第53話
メール