Part1 Part2
 AAネット浦安というシニア団体に参加していることはどこかで触れた。8部会からなっており、ぼくは浜口部会長とともに文化・レクリエーション部会を担当している。
 他の部会の集まりにもちょくちょく顔を出しているが、心の健康部会にはとりわけ熱心だ。1時間半の月例会で、テーマを設けて話しあったり、会員の一人が30分スピーチをし、それに則(のっと)って全員で話しあったり……それが1時間。続いて認定カウンセラー上辻茂樹氏によるお話。これが貴重。「心と体のメカニズム」について、毎回いろいろな角度で解きほぐしてくれる。ぼくには生き方の一助になっている。
 2008年12月2日(火)午後4時から、その12月例会がショッパーズプラザ4階のWAVE101であった。今回30分スピーチはぼくの番だ。
 16人を前に、「ながら音楽と寝床寄席」という変なタイトルで話すことにした。
 …………
 なんとか時間内にはおさめたが、肝心のスピーチや如何。「どうでしたか?」と訊けば、相手もお世辞以外は応えようがないだろう。
 原稿が残っているのをいいことに、「小話」として再現することにした。かなり加筆修正はしてある。
1.はじめに
 ヤドカリという小さな生き物、ご存知ですよね。脚が10本の節足動物で、海岸や砂浜の波打ち際に行くとよく見かけます。
 漢字では「宿を借りる」と書き、エビの一種のようですが、英語ではHermit Crabといってカニに属しています。
 しかし実際は、エビやカニとは似て非なるもの。巻貝の殻を住み家とし、その殻を背負って歩く生活をしています。インターネットで調べますと、それこそ色とりどり……5万と出てきます。
 
 私≠ヘ小芝繁≠ニいうヤドを借りてこの世に出てきた、と言ってはおかしいでしょうが、そう思うときがあります。 
 ヤドカリと違うところは?
、ヤドカリはいまのヤドが不都合になれば、別のヤドに引っ越すことができます。
 それに対して私≠ヘ小芝繁≠ニいうヤドから抜け出すことができません。ですから私≠ェそれなりに文化的な生き方を続けるためには、長い付き合いの小芝繁≠ニいうヤドが命尽き果てるまで、これからもだましだまし苦楽をともにせざるを得ません。彼に天からお告げが来るまで健康であらせたい所以であります。
 まさに「健全なる精神は健全なる身体に宿る=vということで、私≠ニ小芝繁≠ヘ手を携えて、テニスやサイクリングに精を出しているわけであります。楽しいひとときでもありますが。
 
 「楽天」とはよくいったものですね。「天命を楽しむ」が私の解釈です。上辻茂樹先生に「楽天思考」を教わって気をよくしています。
 ほのぼのとさわやかに暮らし、人に無体な迷惑をかけず、「それなりに元気」で、「まあいいんじゃないですか」という楽天人生にしたいものです。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」ではないですが……。
 5分近く経過したようですので、BGMをならします。ドヴォルザークの弦楽四重奏曲で「アメリカ」です。
 25分間の曲ですから、話の途中でも、この曲の終了と同時に打ち切ることにします。
2.ながら音楽
 本題にはいります。
 朝起きて夜寝るまで、暇さえあればクラシック音楽を聴いています、といってはオーバーですが、けっこう聴いているのです。私にとってリラックスの源であり、活力源でもあります。
 ひと頃カラオケにはまりました。私はもっぱら裕次郎です。夜霧よ今夜もありがとう、俺は待ってるぜ、錆びたナイフ、狂った果実……よく歌ったものです。
 聴くとなると話が違ってきます。演歌・歌謡曲の類や、フォークからロック・ジャズに至るまで、余程でないとその気になりません。クラシック以外はダメなのです。演歌・歌謡曲ファンの女房とは、この点で今後も折り合うことはないでしょう。お互いに相手の趣味は尊重しあうことにしています。
 
 曲の選択はその時の気分や、なんらかの情報や意図や、たまたまやら、で決めています。つまり脈絡がないということです。オペラと声楽はまだ好きになっていないので、余程でないと聴きません。
 それ以外は、交響曲、協奏曲、室内楽、ソナタ……何でもよいのです。
 好みの作曲家ですか? バロックから現代音楽まで、バッハからバルトークまで、敬遠する作曲家は今のところありません。……だれでもよいのです。一番聴いているのは、やはりベートーヴェンですかね。
 
 家では、といってもビーハイブ(蜂の巣)マンションの一室ですが、ささやかな書斎でオーディオを聴いています。プリメインアンプとスピーカーには少し金をかけました。主な音源は、CD、LP、NHK-FM……そんなところです。まれにMDを聴くこともあります。
 ステレオサウンドに耳を集中しているわけではなく、その間書き物・読み物・調べ物・パソコンをやっていて、ステレオはBGMというか、ながら音楽≠ナす。そう、安楽イスでうたた寝をしながらのときもあります。
 外をぶらつくときやサイクリングには、ハードディスク付のiPodとヘッドホンを欠かしません。サイクリングでのヘッドホンは禁じられましたので、大通りや混んだところではやっていませんが。
 図書館のラウンジに座って本を読んだり、書き物をしたりするときも、iPod+ヘッドホンは必要不可欠の道具です。こういうところではなぜかドビュッシー、フォーレといった印象派の音楽があいます。そよ風のように心地よく、耳で鳴っていることも忘れさせ、ついでに周囲のざわめきを忘れさせ、読書も書き物もはかどるというわけです。
 
 iPod+ヘッドホンは、旅行にも欠かせない強い味方です。国内・国外を問わず、旅行中の飛行機やバス・電車の中で、じっくり聴いています。退屈しのぎというよりも、この時ばかりは腰を落ち着けて、思いの曲に聴き入っています。
朗読(10'19") on
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