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一茶記念館「一茶」より |
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小林一茶の500余句(15…29句) |
文政5年(60歳)-文政6年(61歳) |
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まん六の春と成りけり門(かど)の雪 |
文政句帖 |
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正月やごろりと寝たるとつとき着(ぎ) |
文政句帖 |
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ずつぷ(り)とぬれた所が春の山 |
文政句帖 |
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御(おん)庭に立(たち)はだかつて山桜 |
文政句帖 |
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春風に猿もおや子の湯治哉 |
山田猿湯
文政句帖 |
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隙人(ひまじん)や蚊だ出た出たと触(ふれ)歩く |
文政句帖 |
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夕立の裸湯(はだかゆ)うめて通りけり |
文政句帖 |
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半分は汗の玉かよ稲の露 |
文政句帖 |
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六十年踊る夜もなく過(すご)しけり |
文政句帖 |
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わらんじのまゝで御意得る御墓哉 |
文政句帖 |
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涼風や何喰わせても二人前 |
菊女祝
文政句帖 |
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露(の)玉でき損なひはせざるなり |
文政句帖 |
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玉となる欲はある也草の露 |
文政句帖 |
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穂芒(ほすすき)に諏方(すわ)の湖(うみ)から来る風か |
文政句帖 |
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墨染(すみぞめ)の蝶もとぶ也秋の風 |
文政句帖 |
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旅人の藪にはさみし稲穂哉 |
文政句帖 |
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あきかぜや小さき声のあなかしこ |
文政句帖 |
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栗拾ひねんねんころり云(いひ)ながら |
文政句帖 |
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知(しつ)た名のらく書(がき)見へて秋の暮 |
善光寺の柱に長崎の
旧友昨二日通るとありけるに
文政句帖 |
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年立(たつ)や雨おちの石凹(へこ)む迄 |
新家賀
文政句帖 |
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子どもらが雪喰(くひ)ながら湯治哉 |
文政句帖 |
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春立(たつ)や愚の上に又愚にかへる |
文政句帖 |
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鶏の座敷を歩く日永(ひなが)哉 |
文政句帖 |
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藪寺や涅槃過(すぎ)てのねはん像 |
文政句帖 |
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人誹(そし)る会が立(たつ)なり冬籠(ごもり) |
文政句帖 |
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寝せつけし子のせんたくや夏の月 |
文政句帖 |
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陽炎やそば屋が前の箸(はし)の山 |
文政句帖 |
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小言いふ相手もあらばけふの月 |
文政句帖 |
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あらましは汗の玉かよ稲の露 |
粒々皆心苦
だん袋 |
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