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一茶記念館「一茶」より |
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小林一茶の500余句(14…39句) |
文政3年(58歳)-文政4年(59歳) |
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湖へずり出(いだ)しけり雪の峯 |
八番日記 |
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迹供(あとども)はかすみ引(ひき)けり加賀の守 |
八番日記 |
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田の人よ御免候(さふ)らへ昼寝蚊屋(がや) |
八番日記 |
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さま付(づけ)に育(そだて)上(あげ)たる蚕(かいこ)かな |
八番日記 |
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秋の夜や祖師もヶ様(かよう)(に)石枕 |
八番日記 |
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遠山(とおやま)が目玉にうつるとんぼ哉 |
八番日記 |
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八朔(はっさく)や犬の椀にも小豆飯 |
八番日記 |
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我(わが)味の柘榴(ざくろ)に這(はわ)す虱(しらみ)かな |
虱(しらみ)のにくさに捻(ひね)り
つぶさんもいたはしく、又草に捨(すて)て
断食させんも見るに忍(しのび)ざる折から、
鬼の母に仏のあてがひ給ふこと思ひけるまゝに
八番日記 |
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いくばくの人の油よ稲の花 |
八番日記 |
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柿の木であえ(い)とこたい(へ)る小僧哉 |
八番日記 |
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五六疋(ひき)馬干(ほし)ておく枯野(かれの)哉 |
八番日記 |
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しなのぢや意地にかゝつて雪の降(ふる) |
八番日記 |
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春めくや藪ありて雪ありて雪 |
八番日記 |
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春風のそこ意地寒ししなの山 |
八番日記 |
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袵(おくみ)形(な)りに吹込(ふきこむ)雪や枕元 |
八番日記 |
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雪ちるや御駕(おかご)へはこぶ二八蕎麦(そば) |
だん袋 |
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雪ちるやわき捨(すて)てある湯のけぶり |
だん袋 |
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我国(わがくに)は草も桜を咲(さき)にけり |
発句題叢 |
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ことしから丸儲(まるもうけ)ぞよ娑婆(しゃば)遊び |
八番日記 |
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鳴(なく)猫に赤ン目をして手まり哉 |
八番日記 |
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あら玉の春の始めの悪(あ)く日かな |
真蹟 |
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陽炎や目につきまとふ笑い顔 |
八番日記 |
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田楽のみそにくつゝく桜哉 |
八番日記 |
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涼風の浄土即(すなはち)我家(わがや)哉 |
八番日記 |
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踊(おどり)から直(すぐ)に朝草かりにけり |
八番日記 |
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しなのぢや山の上にも田植笠 |
八番日記 |
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下戸の立(たて)たる蔵もなし年の暮 |
八番日記 |
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有合(ありあひ)の山ですますやけふの月 |
八番日記 |
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おち栗や仏も笠をめして立(たつ) |
八番日記 |
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誰にやるくりや地蔵の手の平に |
八番日記 |
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都でも引(ひけ)はとらぬや丹波栗 |
八番日記 |
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はつ雪や雪駄(せった)ならして善光寺 |
八番日記 |
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そり引(ひき)や家根(やね)から投(ほお)るとゞけ状 |
八番日記 |
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座敷から湯(に)飛(とび)入(い)るや初時雨 |
八番日記 |
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三絃(さみせん)のばちで掃きやる霰(あられ)哉 |
真蹟 |
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秋風(に)ふいとむせたる峠かな |
八番日記 |
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山吹や出湯(いでゆ)のけぶり馴れて咲(さく) |
梅塵八番 |
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やれ打(うつ)な蠅が手をすり足をする |
梅塵八番 |
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最(も)う一度せめて目を明け雑煮膳 |
かゞみ開きの餅祝して居るへたるが、
いまだけぶりの立(たち)けるを
真蹟 |
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