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一茶記念館「一茶」より |
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小林一茶の500余句(13…25句) |
文政2年(57歳) |
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秋風や磁石にあてる古郷(こきょう)山 |
旅
八番日記 |
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さをしかやゑひしてなめるけさの霜 |
八番日記 |
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雪ちるやおどけも云へぬ信濃空 |
八番日記 |
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こがらしや隣と云(いふ)もゑちご山 |
八番日記 |
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雀の子そこのけそこのけ御馬が通る |
おらが春 |
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麦秋(むぎあき)や子を負(おひ)ながらいはし売(うり) |
越後女、旅かけて商ひする哀しさを
おらが春 |
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古郷(ふるさと)は蠅(はえ)迄人をさしにけり |
心に思ふことを
おらが春 |
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なを暑し今来た山を寝てみれば |
田中川原如意湯に昼浴(ゆあ)みして
おらが春 |
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蝶々のふはりととんだ茶釜哉 |
茂林寺
おらが春 |
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蟻の道雲の峰よりつゞきけん |
おらが春 |
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我と来て遊べや親のない雀 |
おらが春 |
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ぼた餅や藪の仏も春の風 |
おらが春 |
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明月を取(とつ)てくれろとなく子哉 |
おらが春 |
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子宝がきやらきやらと笑ふ榾火(ほだび)哉 |
おらが春 |
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露の世は露の世ながらさりながら |
おらが春 |
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九輪草(くりんそう)四五りん草で仕廻(しまい)けり |
おらが春 |
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雲を吐く口つきしたり引蛙(ひきがえる) |
おらが春 |
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一念仏(ひとねぶつ)申(まうす)だけしく芒(すすき)かな |
七月七日墓詣(はかまいり)
おらが春 |
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秋風やみしりたがりし赤い花 |
さと女卅五日、墓
おらが春 |
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露の玉つまんで見たるわらは哉 |
おらが春 |
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蕎麦国(そばぐに)のたんを切(きり)つゝ月見哉 |
おのが味噌のみそ嗅(くさき)をしらず
おらが春 |
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頬(ほほ)べたにあてなどしたる真瓜(まくわ)哉 |
さと女笑顔して、夢に見へけるままを
おらが春 |
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重箱の銭四五文(もん)や夕時雨 |
おらが春 |
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椋鳥(むくどり)と人に呼(よば)るゝ寒(さむさ)かな |
東(あづま)に下らんとして、
中途迄出(いで)たるに
おらが春 |
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ともかくもあなた任せのとしの暮 |
おらが春 |
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