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一茶記念館「一茶」より |
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小林一茶の500余句(08…36句) |
文化10年(51歳) |
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人並(なみ)の正月もせぬしだら哉 |
志多良 |
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かくれ家(や)や歯のない口で福は内 |
七番日記 |
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ゆうぜんとして山を見る蛙哉 |
七番日記 |
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春雨や喰(くわ)れ残りの鴨(かも)が鳴(なく) |
七番日記 |
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ほくほくとかすみ給(たも)ふはどなた哉 |
七番日記 |
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かしましや江戸見た雁の帰り様(よう) |
板橋
七番日記 |
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春風に尻を吹かるる屋根屋(やねや)哉 |
七番日記 |
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春の風おまんが布(ぬの)のなりに吹(ふく) |
高い山から谷そこ見れば
志多良 |
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寝るてふにかしておくぞよ膝がしら |
七番日記 |
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短夜やくねり盛(ざかり)の女郎花(おみなえし) |
七番日記 |
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芭蕉翁の臑(すね)をかぢつて夕涼(すずみ) |
七番日記 |
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大の字に寝て涼しさよ淋しさよ |
七番日記 |
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おとなしく留主(るす)をしていろ蛬(きりぎりす) |
柏原の草庵の荒(あれ)なん
ことを思(おもい)やりて
七番日記 |
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蚤(のみ)の迹(あと)それもわかきはうつくしき |
七番日記 |
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下々も下々、下々の下国(げこく)の涼しさよ |
七番日記 |
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人来たら蛙(かえる)となれよ冷(ひや)し瓜 |
七番日記 |
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投(なげ)出した足の先也雲の峰 |
七番日記 |
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うつくしやせうじの穴の天(の)川 |
七番日記 |
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名月や寝ながらおがむ体(てい)たらく |
七番日記 |
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あの月をとつてくれろと泣子(なくこ)哉 |
七番日記 |
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秋風に歩行(あるい)て逃る螢哉 |
七番日記 |
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かな釘のやうな手足を秋の風 |
志多良 |
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拾(ひろわ)れぬ栗の見事よ大きさよ |
小布施
七番日記 |
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草原や子にひろはする一つ栗 |
七番日記 |
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からめては栗で埋(うま)りし御堀哉 |
七番日記 |
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蛬(きりぎりす)其(その)大根も今引くぞ |
七番日記 |
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雪ちるやきのふは見へぬ借家札(しゃくやふだ) |
七番日記 |
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水仙や垣にかひ込(こむ)角田(すみだ)川 |
七番日記 |
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象潟の欠(かけ)をかぞへて鳴(なく)千鳥 |
地底に入
七番日記 |
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鰒(ふぐ)喰(くわ)ぬやつ(やつ)には見せな不二の山 |
七番日記 |
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はつ雪やといへば直(すぐ)に三四尺 |
七番日記 |
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はつ雪(や)ちりふの市の銭叺(ぜにがます) |
七番日記 |
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む(う)まさうな雪がふうはりふはり哉 |
七番日記 |
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けふ(悼)ばかり別の寒(さむさ)ぞ越後山 |
七番日記 |
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あこが餅々とて並べけり |
七番日記 |
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はつ雪や吉原駕(かご)のちうをとぶ |
七番日記 |
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