私は現在(1999年)、パソコン教育の会社を営んでいます。今月、5月中旬で59才になります。
 振り返るといつもそうなのですが、「いまが旬」です。

 15年ほど前に脳梗塞に罹(かか)りました。そのときだけ、しびれた左半身を恨みながら、ベッドの中で泣きました。
 その病が機縁となって、11年前に勤続28年の勤務先を退社、株式会社コシバを創業しました。会社は何とかいまも持ちこたえていますので、「持続は力」などと自己満足しています。

 私は真面目で楽天家。それが誇りです。そして暗い意味合いではなく、「因果のチェーン」を信じています。病気で倒れるまでははっしょるとして、それからを追いますとこうなります。
仕事 脳梗塞⇒リハビリとしてワープロ⇒パソコンを仕事に活用⇒(株)コシバ(パソコン教育)
生活 脳梗塞⇒リハビリとしてウオーキング⇒山歩きに夢中
 「挫折」という言葉があります。「思いを遂げられず、悔しい状態を指す」というように理解しています。つまり、挫折は人生を前向きに生きる人に与えられる年輪だということです。脳梗塞以外にはたいした挫折を経験していない私ですが。
 思わざる出来事にどのように対処するか。状況の見方や対処の仕方も限りなくあるはずですが、それが悲しい出来事であればあるだけ「どのように対応するか」がその人の次の人生を左右することになりそうです。

 もう一つ、私の好きな言葉は、「塞翁が馬」。辞書には人生の吉凶は簡単に定めがたいこと≠ニあります。
 本当の意味合いでないかもしれませんが、私の「塞翁が馬」は悲しい状況では「挫折」と同じ状態で、次は良くなる! うれしいときは「やがて、おごれる者久しからず」といえばちょっとうがちすぎ?、素直じゃないですね。
 堅苦しく考えていただきたくないのですが、要するに、「くよくよするな、おごるなよ。良きにつけ悪しきにつけ、すべてがおまえのせいじゃない」といった感じです。

 人事を尽くして天命を待つ、と言うほど真剣に生きていないですし、すぐ人に頼りたくなり愚痴をこぼす弱い人間です。しかし、多少はなにかをやって、後は大好きな植木等さんの歌に託しています。
「そのうちなんとかなるだろう♪♪」
 それとも、
「わかっちゃいるけどやめられない」かなあ…………

メローソサエティ・フォーラム第2回「提言」に掲載
小話集第6話〔塞翁が馬〕 おわり
1999.05.08

朗読(04:37) on
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