政府がIT普及の一環として、2001年にインパク(インターネット博覧会)を開催し、「中高年の元気!」も展示されました。
 期間中、各種意見を求められ、それに応えた一つです。

 『一人でできる』について、私なりの意見を申し上げます。

 「一人でできる」、私は次の言葉を連想しました。
 「みんな違ってみんないい」
 金子みすヾの詩『わたしと小鳥とすずと』の一節です。

 あと数日で61歳になります(2001年5月初め現在)。自分なりのシニアライフにシフトチェンジしているところです。

 社会人になって、
* サラリーマン生活、30年近く
* そのあと、小さな会社経営、12年半

 ほろ苦い思い出の数々、とりわけ44歳で脳梗塞を罹病……それは、いま思えば、塞翁が馬≠ニ自助努力≠フ意味を知らしめてくれる出来事でした。
「やればできる」
 結果的に自信を与えてくれたのも脳梗塞です。

 この病が伏線になって、48歳で妻と二人の会社を起業することになりました。目算狂って長〜い開店休業。手をこまねくばかりで、閉店をした方がまし、の状態が続きました。
 その間資金も底をつき、あてもないまま、暇にまかせて、エッセイを書くやら、アルバムを整理するやら……。
 こうした手慰みが、ホームページ「中高年の元気!」の土台になっているのですから、おかしなものです。

 思春期の頃からロマンチストといわれてきました。いやな気分がしたものですが、いまは「そんなものかなあ」とも思っています。
 ドンキホーテとまではいきませんが、ひょっとしたら私の中にも、夢を追いかける≠ニころがあるのではないかと。
 「意志あるところ道あり」、そんなお堅いお題目を自分に言い聞かせるときがあります。

 「中高年の元気!」のおかげで、「君は書けるんだね」と声をかけてもらうこともあります。お世辞半分としてもうれしいですね。ずに乗って、紀行文やエッセイをものすのが生きがいになり、ひとつ完成の都度人知れず喜びを味わっています。

 1年半ほど前、ミュージシャンのYさん(当時69歳)に出会いました。MIDI音楽のエキスパートであることを知り、私が押しかけたのです。いまや「中高年の元気!」はYさん制作のBGM付で、字面だけのモノトーンが一気に華やかになりました。
 「一人でできる」ものが集まれば、単なる寄せ集め≠ナはなく、相乗効果とやら。Yさんとのコンビはまさにそれです。

 私はいま自分の持ち味に執着しています。思えばこれしかないのですから! もっと伸ばそうと努力しています。
 だから私にない持ち味の人を尊敬します。うらやましいというのではなく、胸にズシリと来るのです。
 それぞれが「一人でできる」、そして「一人でやるものにこそ助けがあり、ひとの助けの尊さがわかる……」。そう自己満足しています。

小話集第7話〔一人でできる〕 おわり
2001.05.06

朗読(05:01) on
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