2017年12月1日
米国・カナダ地域版
2言語が使われているカナダの都市モントリオールでの日常の声かけは、これまでずっと友好的な〝Bonjour, Hi〟である。
① しかしその標準的挨拶は、店員に対しフランス語でのみ客に挨拶すべしとの動議がケベック州議会を通過して以来、もはやありえない。動議はフランス語を州の第一言語と再確認したから、ここでは英語の使用は物議を醸しそうである。
② この動議(法規ではない)は満場一致で通過したが、州首相は論議を「馬鹿げている」とした。強烈にフランス寄りのケベック独立党が起案したものだから、この動議は、「地域の客とも国際的な客とも関わることになる全ての商店や店員たちに〝bonjour〟だけの声かけで温かく迎えるように要請している」、と。
③ 「この動議は原点たる出生についてであり、また我々自身についてである。我々自身ということは、英語を話す住民と共存しつつも大半がフランス語を話す住民の都市ということだ」と、ケベック独立党議長のパスカル・ベルベ氏は言った。
ケベック州の〝言語警察〟に反抗する
④ 「思うに、最初に為すべき声かけは〝bonjour〟です。これは敬語であり、よくわかりあえる」。ケベック州首相のフィリップ・クイヤール氏(自由党)はこう言い、中に〝Hi〟が含まれていることを〝逆なで〟と呼ぶ動議の当初の語呂合わせに反対した。
⑤ 州首相はケベック独立党を、言語戦争を燃え盛らせようとし、州の分断をあおっている、と非難した。
彼は、議論は全て〝馬鹿げている〟と言ったが、〝逆なで〟なる語を一旦取り除いて、動議を支持する投票に同意した。
⑥ ケベック州の多くの住民は彼らのフランス人意識が脅威にさらされていると思っている。ケベック州はカナダでフランス語が公式用語である唯一の州だ。しかしながら、同州にはまたかなりの英語圏地区がある。とくに国際都市たるモントリオールがそうだ。
〝grilled cheese〟や〝cocktail〟の用語を禁じた場所
⑦ 「フランス語のケベック州庁」(OQLF)は、同州でフランス語が守られているかどうかを監視している。ときには、普段使われている言葉を犠牲にしてでも。2013年に、あるイタリア料理店が、メニューに記載の文字〝pasta〟を強制的に削除させられた。それがフランス語でないとの理由で。
⑧ 2016年に、ケベック市の〝La Mama Grilled Cheese〟というレストランは、語学局から店名が英語表現だとのかどで非難する通達を受け取った。
⑨ 本年、監視犬とも言うべき語学局はいくつかの制約を暗黙裡にゆるめた。例えば、〝grilled cheese〟〝cocktail〟〝drag
queen〟といった言葉を単語集に戻すのを許すことになった。
BBC
トイザらス、25店舗の閉鎖を準備
2017年12月1日
⑩ BBCが理解するところによると、トイザらスは英国における106店舗の約4分の1を閉鎖し、数百人の従業員解雇を準備している。閉鎖は同社各店舗の地主に対する負債再交渉の取引条件の一つなのだろう。
⑪ 従業員約3000人を有するおもちゃ業界の巨人は、〝大箱〟(big-box)と称する郊外店舗方式からの撤退をにらんでいる。クリスマスの買い物やギフト・カードは影響を受けない見通しだ。
同社は、地主との交渉開始について、役員会と米国の親会社からの了解を求めている。会社再建専門のAlvarez and Marsal社は本件で任意債務手続き(CVA)を始めているようだ。同社はトイザらスの負債に関する取引を次のようにまとめようとしている。つまりそれは、トイザらスが、負債額の返却を迫られることなく、商売の継続を許されるようにするということだ。トイザらスの広報担当者はCVAの進捗状況や店舗閉鎖や従業員解雇についてコメントしないのではないか。CVAの手続きは、9月に公表されたトイザらスの米国親会社を含む倒産防止手続きとは切り離されている。
次に何が起こるか
小売業分析家であるInsight With Passionのケイト・ハードキャッスル氏によれば、トイザらスの試練は小売業界共通の問題だ。
⑫ 「おもちゃ小売業もファッション関係小売業も、全てが店舗を減らしています。差し迫っています。あと24ヶ月もすれば、はるか多くのこの種のニュースを目にされるでしょう」と、ハードキャッスル氏は言った。
⑬ 彼女によれば、トイザらスはことにネット通販の台頭に身をさらされている。なぜならネットは有名品や信用のおけるブランド品を提供しており、顧客はおもちゃや電化製品をオンラインで快適に手に入れているからだ。
⑭ 「これほど大規模なブランドの業界はありません。もし私がLegoを買っているならば、LegoはLegoなのです」。「トイザらスは商品が高く積み重ねられている通路に事欠きません。しかし、彼らは商戦でインターネットには絶対勝てないでしょう」。
⑮ ハードキャッスル氏は続けて、トイザらスはネットによる販売の品数豊富・低価格と、HamleyやLegoやディズニーといったおもちゃ屋が提供する演出や無料の余興のはざまで身動きできなくなっているとし、「トイザらスはこのいずれの市場空間にも向いていません」、と話した。
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